初恋の人

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「結婚して欲しいんだ・・・・・・」  その瞳はまっすぐで、純粋。  きっと、勇気を振り絞って告白してくれたんだと思う。 どこか、声が上擦っているし、よく見ると、プルプルと全身が震えている。 その姿が、また愛らしい。 母性本能がくすぐられるっていうのはこういうことをいうのかもしれない。  何度言われても、悪い気はしない。 断るのは申し訳ないなとは思う。 でも、あたしがこの手の申し出を承諾したことはない。  なんか、怖いんだ。 関係性が壊れてしまうことが。 断って関係性が壊れることももちろん嫌なんだけど、それ以上に、受け入れて関係が壊れることの方が怖いんだ。 過去にそういうことがあったわけじゃないんだけどさ。  んー・・・・・・ あたしは、あたしらしく生きたいなと思ってる。 信念を曲げない。 後悔しない。 そういうのにこだわりというか、生き方みたいなものを感じてる。  出会いから結婚前提だったら、そういう目でお互い見られただろうし、大丈夫なんだろうなって思う。 でも、友達として出会って、何らかの感情の変化が起きて恋愛関係になるってのが苦手なんだ。  何て言って良いのかなぁ・・・・・・ あたし、馬鹿だから、さ。 言葉で説明するのは難しいや。  例えるならば、職場恋愛ができない人っていうのがわかりやすいのかなぁ。 仕事と恋愛を一緒にすることができない、みたいな? だから、友達は友達でそれはあたしの中で変わらない。 仕事仲間は仕事仲間なんだよな。 そこから発展するってのが、なんか最初に決めたルールを破るような感じがしてダメなんだ。  だって、考えても見ろよ。 仕事始めるときに、恋愛を意識して仕事始めるのってどうよ。 仕事に対する取り組み方に問題があると思わねぇか?  あたしは、そういうのが嫌いなんだ。 マジメに仕事に取り組んで、結果として恋愛感情が芽生えるってものわかるよ・・・・・・ 結果と過程が逆なんだってのはわかるんだけど。 でも、最終的に恋愛に発展したとしたら・・・・・・ あたしはそれまでの仕事にたいする姿勢を自分で疑っちまうんだ。 それって、あたしにしてみれば、絶対に嫌なことなんだ  面倒臭いヤツだろ? あたしの友達にも良く言われるんだ。 わけのわかんねぇルールだって。  あたしは短大でるまで女子校で育ったからさ、男性が苦手っていうか、恋愛がよくわからないっていうのがあるのかもしれないなぁ。 何の自慢にも何ねぇかもしれないけど、小学校、中学校、高校と、モテモテだったんだぜ。 ・・・・・・女子に。  別にそういう趣味は全くないんだけどさ。 元の性格がガサツで男っぽいからなのか、ショートカットで男っぽい外見だからかなんだか知らないけど、女子にはモテるんだよなぁ。 高校にはファンクラブもあったくらいだ。 どっかの音楽院の男役と間違われたりとか、街でスカウトに声かけられたりもするんだけど、全くそんなものに興味がないあたしには良い迷惑だ。 「僕じゃダメなのかな・・・・・・・」  ハッと我に返って、目の前の現実に戻る。 あたしが返答しないまま考え事をしていたから。 沈黙が耐えきれなかったのだろう。  今にも泣き出しそうな、光沢のある瞳であたしを見つめてくる。  どんなに相手が傷ついてしまうとしても、こういったときは真摯に向き合うのが大事だと思っている。 あたしにとっては、何十人のうちの一人かも知れないが、相手にとっては一生に何回かのこと。 その瞬間ではとても大事なことだと思うんだ。  何日も何ヶ月も悶々とし、眠れない夜を過ごしたかも知れない。 何度も意を決しては取りやめ、後悔したり。 そうやって色んな想いを繰り返して、やっと口にした言葉、気持ちをあたしは大事にしたいと思う。  だから、正直に自分の気持ちを伝える。 たとえ、相手が傷ついたとしても。 それが、彼が次に進むためには必要だと思うから。 「ごめんね。今は誰とも付き合う気がないんだ」  相手の目を見て、しっかりと伝える。 深く頭を下げる。  頷いた様な気がした。 正確には頭を下げていたからわからない。 でも、あたしの返事をちゃんと理解してくれたと思う。 気持ちも伝わったと信じてる。  相手が真剣だからこそ、あたしも真剣に応えたいんだ。 決してどうでも良いことなんかじゃない。 相手にとっては一生のことだから。 あたしも一生をかけて応える。  今にも泣き出しそうな顔をしながら、涙を堪えて去っていく。 今度はしっかりとあたしも見てた。 ちゃんと、頭を下げてお礼をしてくれる。 礼儀正しい。  あたしみたいなのじゃなくて、きっといい人がみつかるよ。 本人の前では言えないけど、慰めのような言葉を心の中で呟く。 決して慰めじゃなくて、本気でそう思う。 そうあって欲しいとも思う。  彼が出て行った扉を見て、悲しい気分になった。 振られたのは彼だけど・・・・・・ 振ったあたしの方が悲しい気分になってる気がする。  何となく明るい場所を求めて、窓際に歩み寄る。 窓越しとはいえ、陽が暖かく包み込んでくれる。 太陽の光があたしを癒やしてくれる気がした。 「結婚して欲しいんだ・・・・・・か」  先ほどの言葉に、違う男性を思い浮かべながら復唱する。 完全な妄想だ。  あたしだって人を好きになったことくらいはある。 二十四年生きてきて、たった一人だけ。 片想いで、結局最後まで想いを伝えることはできなかったけど、後悔はしていない。  たぶん、一生忘れられないんだろうなぁって思う。 初恋なんてそんなもんだろう。 でも、あたしは性格が災いして頑固で固執してしまう。 次に進めないんだよなぁ。 そう考えると、実に憎らしい男だ。 あたしを何年も呪縛する、実に憎らしい男・・・・・・  顔を思い出して、一人吹き出す。 傍から見ると、完全に妄想癖のヤバいヤツだ。  今、何してんだろうなぁ、あいつは。  窓の外を見ると、仲の良さそうな夫婦が歩いて行く。 間には五、六歳の子供が、両手をそれぞれ持ってもらって、ブランコのように揺れている。 両親の背中しか見えないが、ともに幸せそうだ。 勝手に、母親を自分、父親をあいつに重ねてしまう。 子供や楽しそうに笑っている。  なんか、柄にもなくセンチメンタルになっているのかも知れない。 妄想が過ぎるなと自嘲する。 あたしは、まだ好きなのかも知れない。  去年も他の男性に告白されたとき、断った。 その時に聞かれたんだ。 「他に好きな人がいるの?」 あたしは、いないと答えた。 嘘をついたのかも知れないな、あたしは。  今度会うことがもしあるのであれば、謝ろう。 そして伝えよう。 正確には「自分でもわからない。ただ、いつまでも忘れられない人ならいる」と。  パンっと自分の顔を挟むように叩く。 らしくねえ妄想は終わりだ。 あたしはあたし。 今までも、そして、これからも。  不器用かも知れないけど、これからもがんばって生きていくだけさ。 恋愛は・・・・・・ なるようになる。 大事なのは、その時その時を一生懸命に生きること、そして、自分の信念を貫くことだ。  あたしは、窓から離れ、部屋の外に出ようと、扉に向かう。  ちょうど、扉を開けようと思ったら、勝手に開いた。 もとい、扉の向こうで、職場の先輩が開けたんだ。 「あ、朝美ちゃん、もう良いの?」 「えー、あぁ、ハイ。お陰様で無事に終わりました。スミマセン。仕事中に空き部屋作ってもらった上に、抜けちゃって・・・・・・」  あたしは、窓際で感傷的になっていたことや、独り言を聞かれていないかどうかドキドキしながら、先輩にお礼を述べる。  本当はやらなきゃいけない仕事が山のようにあるんだけど、ちょっと大事な話があるからってことで、特別に抜けてきたんだ。  先輩は五十近くになる人で、落ち着いた感じの実に柔和な人だ。 怒っているのを見たことがない。 あたしが仕事で色々やらかしたり、顧客と揉めてもいつもにこやかに見守ってくれる。  特に何の報告をするわけでもないのだけれど、私用で抜けた以上、話をした方が良いのかなとも思うが、何分相手がいることでもある。 あたしは、何も話せないでいると、先輩は黙って微笑んで軽くハグをしてくれる。 ポンポンと背中を軽く叩き、すぐに離れた。  何も言わなくても、全部わかってくれるんだよな、この人は。 包容力があって、温かみのある人。 あたしみたいなガサツで、繊細さのかけらもないような人間とは対極にいる 人だ。 仕事もできるし、尊敬してる。  あたしは、意を決して言葉を発する。 「あ、あのっ・・・・・・」 「ん? どうしたの、朝美ちゃん」  あたしは170cmあって、女の割りには高身長なのだが、先輩はちょっと前屈みになってあたしを見る。 両膝に手を当てて、軽く膝を曲げ、まるで子供の目線に合わせるかのような仕草が母性を感じさせる。  先輩の優しい微笑みが、あたしの緊張を和らげ、何を言っても許してくれるだろうという甘えに似た感情を引き起させる。 「あのっ。言いたくなければ全然構わないんですけどっ! 先輩は、『初恋の人』って覚えてますか?」  あたしとしては、至って真面目に聞いたのだが、先輩は一瞬固まって、キョトンとした顔をしたかと思ったら、大笑いし始めた。  なんか、真面目に聞いたあたしが、逆に恥ずかしい。 ひとしきり笑うと、先輩はいつもの優しい笑顔を取り戻す。 「もう! 何を言い出すのかと思ったら・・・・・・ 本当に貴方って子は」 と言って、ふふっと笑う。  あたしはなんか馬鹿にされた気がしてムッとする。 「わかりやすい子ねぇ。 どうしたの? 感傷的になっちゃったの?」 先輩は優しく言ってくれるが、あたしは黙り込む。 先輩は小さくため息をつくと、なだめすかす様にしてしゃべり出す。 「もう、あまりにも前のことだから、おばちゃん忘れちゃったわ」  明らかに明言を避けた言い回しが意地悪く聞こえてしまい、あたしはきっと不愉快な顔をして、軽く睨んでしまったのだろう。 自覚はしてるんだけど、どうも感情が先走ってしまう。 口に出たり、手や足も出るのは中々に治らない。  そんなあたしの表情を見てはぐらかすのを諦めたのか、もう一度、今度は大きなため息をついて、話し出す。 「そりゃあ、私も五十過ぎてますけど、若いときはあったわ。恋の一つや二つはしたわよ」  さすがに恥ずかしいのだろう。 あたしの横を通り過ぎて、先ほどまであたしがいた窓際から外を見る。 「私が記憶しているのは、小学校の低学年の頃だったかしらねぇ。クラスで一番人気のある子だったのは覚えてるけど、もう顔も覚えてないわ」  あたしの方を振り返って、笑う。 「席がたまたま隣になってね。ちょっとお喋りしたりするのが、すごく嬉しかったのは覚えてるんだけどね・・・・・・」  あたしはどう相槌を打って良いかもわからず、俯いて黙る。 「私は告白する勇気なんかなくて、そのまま学年が変わって、クラスも別。たまに廊下で見かけても、通り過ぎるだけ・・・・・・ 思い返してみれば、それが初恋の人だったんだろうねぇ」 「すんません」  あたしは何にたいしてなのかは自分でも良くわからないまま、謝った。 本当は、ありがとうの方がふさわしかったのかも知れない。 「はい、おしまい。つまんなかったでしょ? でも、こんなものだと思うよ、ほとんどの人は」 「そんなもん・・・・・・ですか」  なんの抑揚もなく、オウム返しに呟く。  あたしが重いというか、固執するタイプだからなのかな。 よくわかんねぇや。 「で? 朝美ちゃんは忘れられない初恋の人がいるのね? それで、今し方自分がお断りしたことの重大さをアレコレ考えちゃってる、と」 いたずらっ子のように笑う先輩だったが、あたしは恥ずかしさでまともに顔を見ることができなかった。 つい先ほど、何度か想像してしまった相手が再び現れる。 「あら、顔が真っ赤よ。髪の毛よりも赤みがかってるわ」 ふふふとからかうように笑うが、あたしは言われた髪の毛を気にして頭をクシャクシャと搔く。  確かに、あたしの髪の毛は赤みがかっていて、陽に透けると赤く見える。 でも、今隠したいのは、髪の毛の赤ではなく、あたしの顔なのに。 混乱して、テンパったせいで、頭を搔いて誤魔化す。 赤らんだ顔を隠したい。  あたしは、一度深呼吸してから、先輩に話しかける。 「いや、ありがとうございました。なんか、柄にもなく色々考えちゃって・・・・・・ 彼にとっては初恋の人だと思うんですよ、あたしは。一生記憶に残ることなんじゃないかなぁって思って」 「なるほどねぇ。朝美ちゃんは初恋の人が一生記憶に残るくらいの人なのね♪」  先輩はいつになくイタズラっぽい笑みを浮かべてからかってくる。 きっと、さっきの自分の初恋のことに対しての照れ隠しだろう。 「いやぁ、なんつーか。そう言うんじゃないんですけどね。あいつは」 あたしは頭ではわかっていても、しどろもどろな対応しかできない。 我ながら、完全に動揺している。 何とか取り繕うとするも、全部裏目で、もはや何を言ってるのかも自分でわからない。 「すんません。勘弁して下さいよ。ホントに。苦手なんすよ、なんか恋愛とか・・・・・・」 結局、白旗を揚げることになった。 「あら? 私も恥ずかしい思いをして『初恋の人』の話をしたんだから。朝美ちゃんも聞かせてくれないと、フェアじゃないわよ?」  珍しく、しつこくからかってくる。 よほど、あたしの反応が面白かったに違いない。 あたしはいじられるままに顔を真っ赤にして黙りこくるしかなかった。  先輩の帰りが遅かったからだろうか。 同期のスタッフが現れてくれたお陰で、助かった。 「あ、先輩ここにいらしたんですね。朝美さんを呼びに行って帰ってこないから探しちゃいました。・・・・・・って、朝美さん、顔赤いですけど、大丈夫?」 「へ? あ、赤くねぇし! 何でもねぇよ!」 あたしは無意味に大声を出して、前に付けているエプロンで顔をバサバサと仰ぐ。 「あら、ごめんなさいね。私がちょっと朝美ちゃんに長く話しかけちゃったから・・・・・・ それで、私に用かしら?」  本当はあたしの話に付き合ってくれたのに、先輩は自分の責任であるかのように話をする。 いつもそうだ。 決して、人に迷惑をかけたり、傷つくようなことはしないんだ。 同期もそれがわかっているから、そこは追求しない。 「あ、いえ。朝美さんの方に用があったんですよ」 そういって、先輩からあたしに向きを変えて、微笑む。 なんか、嫌な予感しかしねぇ。 「朝美さん、『あなたを待っている子』がまだ二名もいるのよ・・・・・・」 マジかぁ・・・・・・ 今年は五人もいたのか。 長期休みの前日になると必ず現れるんだよなぁ。 しばらく会えないさみしさからの告白。 保育園、幼稚園の恒例行事と言っても良いだろう。 「しょうがねえなぁ。じゃあ、次入ってもらってくれよ」 あたしは、後頭部をボリボリ搔きながら、再び部屋の中へ入っていく。 先輩はあたしの肩に手をあてて、小声で耳打ちをする。 「あとで、『初恋の人』の話はしっかりと聞かせてもらうから! がんばってね」 先輩が扉の向こうに消え、同期が扉の向こうに立って見送る。 「朝美さん、次の子に入ってもらいますけど、最後の子は『女の子』ですよ。よかったですね。どっちにもモテモテで♪」 からかうようにして扉の陰に消えると、代わりに入ってきたのは、両親に連れられた園児だった。 「こんにちは。『ハルト』くん。どうしたの?」 あたしは白々しく聞く。 お母さんの足にしがみついていたが、しばらくすると、お父さんに促され、あたしの前に一人で出てくる。 「どうしたの?」 あたしは優しく、でも真剣に向き合う。 「結婚して欲しいんだ・・・・・・」   一生懸命、勇気を振り絞ったんだろう。 精一杯の言葉を絞り出すと、半泣きでお母さんの元に帰っていく。 あたしは先ほどの子と同じ言葉を伝える。 「ごめんね。今は誰とも付き合う気がないんだ」  案の定、泣き出してしまったが、母親が抱っこしてなだめ、お父さんがあたしに謝ってくる。  ある程度泣いて疲れてしまったのだろう。 お母さんの手の中で眠ってしまい、両親はあたしに御礼を言って、帰っていった。  あたしは先ほどと同じように、一人になったお遊戯室に残り、窓に近づく。 先ほどまで明るかったが、もう夕暮れで空が赤く染まっている。 「もうちょっと、早く赤く染まってくれたら、変な顔を見られなくて済んだのかなぁ」 一人呟く。  先ほどのご両親がこちらに気付き、何度か振り返って、頭を下げるのが見えた。 あたしも合わせて丁寧にお辞儀をする。 「朝美さん、最後の子、入ってもらっても良い?」  扉も開かず、急に大きい声がしたが、あたしは振り返って、大声で返事をする。 「ああ、いつでも良いぜ」  最後にあたしを待っていたものはまだ小さい女の子だ。 「あさみせんせい! あたしのおむこさんになってほしいの」 「ごめんね。今は誰とも付き合う気がないんだ」 「あたしのほかに、すきなこでもいるんでしょっ!」 「自分でもわからない。ただ、いつまでも忘れられない人ならいる」 「ふーん・・・・・・」 「たぶん、先生の『初恋の人』だよ」 「そっか。じゃあ、いいや。二番手の『はると』くんにするから!」 そういうと、扉を開けて部屋を飛び出し、保育園の入り口で待つ最終送迎バスまで一直線に走って行った。 「あいつの初恋、軽いなぁ」 あたしは慌てて追いかけて、建物の入り口で見送り、呟く。 「だから、私は顔も覚えていないって言ったでしょ? そんなものなのよ」 いつの間にか先輩が立って、肩に手をかける。 「朝美さんの『初恋の人』の話、私も聞きたいです」 同期も見送りに出てきたようだ。 「ん?  なんでお前が知ってんだ?」  あたしが振り返ると、先輩と二人で笑って、一目散に奥へと逃げていった。 「ったく。先輩も意外と子供っぽいとこあるんだな」 五十を過ぎても、恋愛に関しては、さすがは女性といったところか。  動物の絵が描かれた園児の送迎用のバスが出発するのを見送り、赤くなった夕焼けを見て、呟く。  保育士たるもの、幼児から恋愛対象になった場合、『初恋の人』になる可能性は非常に高い。 あたしは、ガキの戯言と捉えずに、マジメに、真摯に対応したいと思っている。 「あたしは、良い『初恋の人』になれたのかな?」 フッと自嘲してから、保育園に戻る。 「ちょっと、せんぱーい! 余計なこと言わないで下さいよ~」
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