続 デリバリーバイト

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続 デリバリーバイト

 と、まず最初に書いたのは、ホラー的に怖かったデリバリーの話。  それとは別に、人怖的な話もいくつかあった。  まあ、考えてみれば、1人で見知らぬ人のテリトリー内に乗り込むわけだから、絶対安全なんて保証はどこにもない。  相手がまともな人間や、まともな生活圏である保証もない。  保証もないのに、仕事で注文、となると、勝手にそれなりに普通の人物像を思い浮かべるのだから不思議なもので。  とにかく、私自身は、弟の体験を聞くまでデリバリーバイトはもっと普通なんだと思ってた。  まず1つ目は、老人の家の話。  届けに行ったら、インターホンに出たのは老人だった。そこまではまあ普通。  でも、鍵が空いているから入ってきて欲しいと言われた。しかも、鍵の空いてる玄関から入って、靴脱いで上がって、2階の部屋まで持ってきて欲しいと。  いや、入って大丈夫か?色んな意味で。と、勿論色々な想像が脳内を飛び交う。  だけどまあ、ピンポンして会話しちゃってる時点で悩んでいる暇もない。もう来たことは相手に認識されてしまっているのだし、あまり待たせるわけにもいかない。  と、意を決して2階まで届けたら、結果足の悪い普通の老人だったそう。    何事もなく、普通にお金も受け取りお届け完了も出来て、怖かったけど良かった。という話だった。  でも、弟からその話を聞いていて、ふと疑問に思う。  持って上がって来てもらうほど足が悪いのに、どうして2階の部屋をメインに使っているのだろう。  2階建ての普通の一戸建てなら、2階は使わずに1階を生活圏にするんじゃないだろうか。  2階に住んで、1階の玄関の鍵は開けっ放しの生活って、ハイリスクすぎないか?  せめて、1階にいながら開けっ放しなら分からなくもないけど。足が悪くてすぐ降りられもしない環境で、開けっ放しになんてするか?  弟のシフト時間帯は夜。  夜で1人、出前を頼むということは、1人で暮らしてるんじゃないのか?  なんて、ただの想像と憶測なので本当のところは何も分からないけれど。    弟にそう言ってみたところ。  分かんないけど、とりあえず何もなくてマジでよかった!!という結論で終わった。  まあ確かに。終わりよければ全てよし、だよな、と。
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