Please.

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 仮眠を取ろうと思ってベッドに横になった矢先、ドアが開く音が聞こえて思わず舌打ちをしてしまうが、薄暗い室内に小さな声で名を呼ばれて上体を起こす。  「ケイ?」  「・・・なんだ」  その声は先程まで詰所で同僚達と話していたものと同じとは思えない程のぶっきらぼうさで、呼び掛けたリアムが思わず苦笑してしまうほど低く掠れていた。  「寝るところだったんだな」  「・・・ああ」  声を頼りに近付いてくる大きな身体に溜息を零した慶一朗だったが、ベッドが人一人分の重みに沈み、そちらへと身体が自然と傾いでしまうのを抑えられずに起き上がって寄りかかると、腕を撫でられて無意識に安心したような溜息が零れ落ちる。  「どうした?」  「甘いものが欲しくなるかなと思ってドーナツとコーヒーの差し入れを持って来た」  「ああ・・・助かる」  誰が来るか分からない仮眠室でこうして肩を抱かれたままでいるのも落ち着かない為、手を離せと小さく呟いた慶一朗だったが、大丈夫と同じ小さな声に返されて今度は慶一朗が溜息を零す。  「今日は大学の友人とカウントダウンパーティーだと言ってなかったか?」  「そのつもりだったけど、あいつ、パーティーに誘っていた女の子に振られたらしい」  だから午後も早くからヤケ酒をしていて、酔い潰れて迷惑だったから家に放り込んで来たと肩を竦められ、だからカウントダウンは一人で迎えることになったと苦笑される。  「・・・一人、か?」  「そう、一人だな」  そもそも俺の世界一ハンサムな恋人は、大晦日も仕事を優先する程の働き者だからと、先日の口論を彷彿とさせる言葉を苦笑とともに零すが、そんな貴方だから好きなんだと続けられて慶一朗の肩が揺れる。
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