空色

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今、えりかに会うとまた余計なこと言ってしまうかもしれない。 学校が終わると足早に帰って、練習着に着替えてスポーツバックを掴んで出かけた。 クラブハウスに入ると「空くん、今日、早いわね。」と声をかけられた。 「はい、グラウンド使ってもいいですか?」 「いいわよ。」 俺をグラウンド内を走った。走ってると、多少気分が晴れるような気がした。何周かしていたら、建物からコーチが出てきた。 「お、空、今日は早いなー。」 「こんちは」俺はコーチの前で止まって挨拶をした。 「ちょっと顔色悪いぞ。走り過ぎたんじゃないか。」 「いえ、ちょっと夜更かししただけなんで大丈夫です。」 「漫画でも読みすぎたか。ま、今日はほどほどにしとけ。」コーチは俺の肩を叩いて練習の準備に取り掛かっていた。 ストレッチをして、コーチが出してくれたラダーでトレーニングしていると、続々とチームメイトがやってきた。 「よ!空!」 「今日もよろしくなー!」 「昨日のデブライネのプレー見た?」 「あの、神がかったパスだろ。やべぇーよな。」 ここは賑やかでいい。頭の雑音を消してくれる。
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