空色

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渡り廊下の窓から下校する、えりかが見えた。笑いながら歩いてる、隣には俺じゃない誰かがいた。 「お前の姉ちゃん、日野先輩と付き合いだしたのかよ。」明也が言っていたけど返事はしなかった。 「お~い、空。」 「明也、黙れ。」蓮が明也を制していた。「えっ俺なんで、怒られてんの!?」 今、追いかけて、えりかの手を捕まえて、あんなやつから引き離せられたら。と、出来もしないことを考えて、そんな考えが浮かぶ自分に苦笑いした。 バスケ部のやつらにも聞いた。 どんなやつかって。「めちゃいい先輩すよ。優しいし、バスケ上手いし、教えるのも丁寧であの人がキャプテンで、うちらラッキーだったなって。」 ただの弟だったら、喜べたのかもしれない。 なんで俺じゃダメなのか、弟だからか、家族になれたこと嬉しかったけど、こうなると家族にならなきゃ良かったとさえ思えてくる。 どうしようもない思考が繰り返されるだけで、目を逸らして、見なかったことにした。
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