空色

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やっちゃんにlineした。 『今日も泊まりに行っていい?』 『いいよ。』 やっちゃんとは幼稚園時代からの友達で俺の母さんとやっちゃんのお母さんは、仲良かったらしく、俺のことを気にしてちょくちょく泊まりに行かせてもらったりしていた。 「父さん、友達ん家に泊まってくるわ。学校は直接行くから。」 「おう、相手さんには迷惑かけんなよ。」 「ああ、行ってくる。」 自転車で5分もしない、やっちゃん家に向かった。頬に当たる風は冷たかった。 「お邪魔します。」 「空くん、いらっしゃい。」やっちゃんのお母さんが玄関まで出迎えてくれた。 「今日もすみません。」俺は頭を下げた。 「いいのよ、空くんは家族のように思ってるから。あら、また大きくなったんじゃない?一段と男前になって。」やっちゃんのお母さんが俺の両腕を持って言った。いつのまにか、やっちゃんのお母さんの頭は俺より下になっていた。 「母ちゃん、いいから上げらせてやれよ。」やっちゃんが2階から降りてきた。 「そうよね、そうよね、そういえば、空くん夕飯は?」 「大丈夫です。家で食べてきたので。」 「そう、何かあったら言ってね。夕飯の残りあるから。」 「ありがとうございます。」 俺はやっちゃんについて行きながら2階へ上った。 やっちゃんは振り向きながら「悪いな、うるさくてよ。」と言った。 「そんなことないよ。」 「そっか、ならいいんだけどよ。母ちゃん、空のこと気に入ってるから。」 部屋に入る前にやっちゃんのお姉さんに会って、「お邪魔してます。」と頭を下げた。 部屋につくとやっちゃんはベットに座った。 「家、気まずいか?」 俺は荷物を置いて、準備してくれた布団を広げていた。「やっちゃんさ、自分のお姉さんが他の男と一緒にいるの見たらどう思う。」 「俺の姉ちゃんか、あんまり想像できないけど、多分なんも思わないじゃないかな。」やっちゃんはそう答えた。 「あの先輩か。」やっちゃんは続けて言った。 「ああ。」 「それでか、最近お前が来るのは。ま、前みたいに空が来て母ちゃん喜んでるけどな。」 布団を敷き終わって、その布団の上で胡座をかいた。「義理兄弟って恋人になれるのかな?」と俺が言ったら、やっちゃんは焦ったように「シスコンなのは知ってたけど、そこまでなの?」と言ってきた。 「どうしようもねーんだよ。えりかを俺のものにしたい。」 おいおい、とやっちゃんは顔を真っ赤にして「空、そう言う事いって恥ずかしくならねーの?」と言った。 「うん、ならない。」 やっちゃんは咳払いして「俺も知らないけど、義理兄弟だと色々大変じゃないか?」と言った。 「やっぱ、そうなのかな。あーーーーーーしんどい。」俺はそのまま勢いよく倒れて、横になった。 もし叶わないのなら、こんな想い今すぐ消してくれないかな。じゃないと、身が持ちそうになかった。
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