空色

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小学生のときは小学校のサッカーチームに入っていた。蓮とやっちゃんは、チームメイトだった。うちの年代は強くって都大会まで進出した。 そのおかげで、俺はクラブチームからスカウトがきて中学上がってからはここで練習してる。 「空、いくぞー」 転がってきたボールに、インパクトを合わせてズドーーンとゴールに突き刺さった。 「さすがだな、空!」 平日週3練習に土日もほぼ何かしらの試合が入ってた。こうなると、家よりこっちにいる時間の方が長いかもしれない。 「空!お前に客だぞ!」コーチが大きな声で呼んだ。 「はい。」 走って駆けていくとスーツを着ている30代ぐらいの男性が、名刺を渡してきた。 「大阪明䕃高校の竹林です。今日はお見知りにと思い、来ました。もし良かったらうちの高校に来てくれたらと思っています。」にこやかな顔していた。 「俺まだ1年すよ。」 「ええ、知っています。ただきっと他の高校からもスカウトがくると思いますので、今のうちにと思いまして、また来ますね。」 俺は名刺に目を落とした。天皇杯に行くような強豪校だった。
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