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このままだと、色々抑えられない気がして「あー俺、帰るわ。」とコロッケ屋をあとにした。後ろから誰かがなんか言ってた気がしたけど、無視した。
歩きながら、さっき見た情景を思い出していた。確か、あれは、バスケ部キャプテンだったはず。
えりかと学年違うし、接点なんかないはずだ。なのに、なんで一緒にいんだ。
偶然か?,..もしかして、付き合ってるのか?
黒い感情が溢れ出しそうになっていた。
やべー、なんかすげー痛い。
家に着いて、バックをソファーに投げて、自分もそのままドスンと座り込んだ。
なんだろ、この感情は。やばい、辛い。
しばらく、そのままでいたのだろう。
ガッチャとドアが開く音が響いて「...ただいま。」とえりかの声が聞こえた。
えりかがこっちに近づいてくる足音がする。俺はさっきからずっと考えていたことを、聞いた。
「えりか、日野先輩と付き合ってるの?」
自分が思っていたより、声色が冷たく出た。
「付き合ってないよ。」えりかは、何か躊躇いながら言って、それが俺の気持ちを逆撫でした。
「じゃあ、なんでさっき2人でいたの?」
「...誘われて」誘われたら行くのかよ。
「一緒に帰ってるの?」
「たまに」たまに一緒に帰ってんのかよ。
「日野先輩が好きなの?」
「...いい人かなって思ってるよ」
俺は堪らず、えりかの方を見た。
「空、ごめん」えりかは俺のこと見ながらそう言った。
「謝るなら...」あいつなんかと一緒になんかいないで、俺と一緒にいてくれよ。そう言いかけたけど、あまりにも身勝手だってことは分かっていた。
「あーもういいわ。」俺はリビングから出た。このままじゃ、えりかを傷つけてしまいそうだから。
リビングのドアに寄りかかった。
俺、こんなに、えりかが好きだったんだ。そう思ったら余計、苦しくなった。
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