強くてやさしい かっちゃん

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強くてやさしい かっちゃん

かっちゃんはぼくの友達だ。 かっちゃんは強くてやさしい。 ぼくが小学校のお兄さんに いじめられて泣いていたとき いっしょうけんめい、ぼくを守ってくれた。 「しんじ、泣くな! 守ってやるから泣くな! わらえ!」 かっちゃんはいつもそう言って ぼくにだけ見えるように 手をうしろにまわして そっとピースをしてくれた。 ぼくは、かっちゃんが大すきだ。 ある日みんなで遊んでいたら、 ぼくがぶつかって 先生の本だなをたおしてしまった。 「だれがたおしたの?」 先生がきいた。 ぼくはこわかったんだ。 先生にしかられるのがこわくて 「だれがたおしたの?」って聞かれたとき 「ぼくです」って言えなかったんだ。 そしたら、かっちゃんが先生の前にいって 「ぼくがやりました!」 「ぼくがやりました!」って言ったんだ。 かっちゃんは先生に見えないように 泣きそうになっているぼくにだけ見えるように 手をうしろにまわして そっとピースをしてくれた。 しんじ 泣くな! 守ってやるから泣くな! わらえ! かっちゃんがそう言ってくれてるみたいで ぼくはもうなんだか、ゆるしてもらえた気がして やっぱり泣いてしまったんだ。 ぼくは、強くてやさしいかっちゃんが大すきだ。
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