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シギくんの秘密
「これはいつかシギくん、そして彼女さんに言うべきかな」
「そうだよね。まあ、あっちからはシギくんに刺激させるようなことをするなって釘を刺されているけど」
シギくんはああ見えて繊細なところがある。
私が交差点を継いだのと同じころ、シギくんはこの世界に来た。
彼はボロボロの状態で今みたいに元気になるのに回復するまで長い時間がかかっていたみたい。
「責任重大だよね。シギくんとは友達だけど、こう秘密を隠し続けるのは大変だよ」
「そうだよな。私も」
この写真が届いたのは一年前、いつもみたいに発狂しながら読みにくい手紙をひたすら読んでいたときのこと。
手紙に紛れ込んでいて誰が送ってきたのかわからない。この絵はただの偶然か、それとも……と私たちは気になっていた。
もしこの絵の女性に似ている人が現れたら話をしようと思っていたのだが、実際にその場面になっても私たちは言えなかった。
「まだ彼女さんには会ってないし、シギくんが真実に気づいたら話をしようか」
「そうだな。それがいいかもしれない。この絵ともすぐにおさらばしたいからな」
大事なものをしまう箱に二つの写真をしまう。
いつかはこれを言う時が来るだろう。
その時に私たちには何が起きるのかと、まだ見ぬ未来に私は想いを馳せたのでした。
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