君が待つから

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「え、お前ら付き合ってないの?!」 「当たり前だろ。何でそんな勘違いしてるんだよ!」 「いやだってなんだかんだいつも一緒にいただろ。帰りだって星谷の練習終わるまで待ってたし」 「それは彼女が待たせてくれって言うから」  大学時代、俺は全体の練習が終わった後も居残りをしていた。それに彼女は付き合ってくれていて、いつも遅くまで待たせてしまっていた。暗くなって危ないからと駅まで送っていただけだ。それ以上に何もない。 「や、休みの日一緒に映画観に行ったとか言ってただろ?」 「演技の勉強の一環ですよ。観に行った後は飯食いながら感想言い合って、それで解散してましたし」 「「高校生か!」」  ふたりのツッコミがきれいに入った。あ、こーいう演出いいかも。今度神野さんに提案してみよう。メモ取りたいけどここで取ったら絶対怒られるよなあと思っていたら酒も入っていたのかふたりはどんどんヒートアップしていった。 「あれだけイチャついてて付き合ってねーっておかしいだろ!」 「つか部内のヤツはみーんなお前ら付き合ってるんだと思ってたぞ」 「えぇ……」
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