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まさか、また再会できるとは思っていなかったのだ。
あの吉志でさえ、一人では呼び出すことが叶わなかったであろうバケモノである。
京穏香が化猫を呼び出したことについて、もちろんその後に錦老師が吉志に尋ねる事は叶わなかった。
当主にお目通りなど叶うことは無い。分かり切っていたのである。
その後、錦は吉志との約束をそのまま墓へ持って行こうと思っていた。
化猫の話は、もう表に出ることは無いと疑わなかった。
しかし、化猫を呼び出した京穏香。その子ども琥珀は運命の花嫁だった。
化猫は、その運命の花嫁の式として今、目の前に露呈した。
どう考えても、偶然の産物だとは思えない。
これも何かの縁だと、錦老師も下がることなく葉月に真相を求め喰らい付く。
しかし、葉月を見下ろしながら言葉無く只々老師を眺めた。
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