10th week 寵愛と蜂

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10th week 寵愛と蜂

側室、妾文化始まりは藤原氏からだとか。 平安時代にも側室がと思われる かもしれませんけど、 平安の殿方は通い婿。 財産や権利は、全て女性に ありましたのですから、 古くから家格を守る筋の 子女の夫概念は どこか 今時ではないでしょう。 「古くは、女が複数の男を通わせ ていたという、まるで女王蜂的な 考え方だった。ということね」 モダンな冷蔵庫を開けますと そこには、 わたくしが作り置きした 食材がチルドされてますけど、 随分減ってますの。 「あら?アマネさん、、 ちゃっかりしてらっしゃる。 わたくしの保存食を使ってる なんて、、あの人、自炊なんて するのかしら~?そうねぇ。」 お気に入りで、 わたくし拘りのキッチン。 今も昔も、 殿方の寵愛の要は3つの袋。 作り置き容器に丁寧に貼った 1つ1つ、 わたくしの文字がみえる付箋。 「もっと作って置くべきでした わ。悪阻も酷くない体質でし たもの。でも、忙し過ぎま したものねぇ、ビーちゃん。 」 すっかりお腹に話かける癖が ついて苦笑しますわね。 ベビーなのですから、 ビーちゃんです が、、 愛して止まない家族は、 婚約先にも 不自由ない家を考えていました けれども、 料理に感しては、 きっちり出来る様には してくれてます。 さながら悪役令嬢な容姿と 学院時代から揶揄されましたけど、 家庭的手習いは一通りこなし、 専門料理教室にも。 そのお陰様で 主人の浮気と称される 写真現場へ乗り込む 協力者も得られました。 「そういえば、キリヤマくん。 お教室、休んでるから、心配 してそうだわね。1度お店に 行きたいとか気を使ってました けど、夜遊びはさせない方が 良いタイプよね。さて、」 わたくしは、 普段あまり着ない タイプのワンピースを纏い ヘアセットも 『ゆるふわハーフアップ』 にします。 「察してくれるといいのだけれ ど、今となっては遅くても、 アマネさんなら服の違いは 気にするでしょうからね。」 わざわざスツールも特別に作り ましたのよ。 何より1番屈辱的なのは 敵に似せた姿になる事。 「彼女も嫌でしょうに、わたくし と同じ目元にするなんて。 まして、後から気がついた時に は後の祭りですもの。服と髪を 寄せるのさえ気分を害するわ」 かつて、あの女が武器にしていた スタイルなんて。 それでもまだ彼女は小物ね。 後ろの女王蜂に比べれば 働き蜂にもならない。 蜂はね、同じ姉妹でも冠を 譲らず玩び殺すのよ。 ましてや雄蜂には 女王蜂は性交できるやいなや、 相手の性器を肉切って、 自分に取り込む。 雄蜂は性交したが最後、 女王蜂に身体を喰われるの。 そもそも、 事の全容がわかったのも 夜に咲いた毒花の噂を 耳にしたから。 スズネの実母、リンコ。 あの妖艶さだけは 整形ぐらいじゃ隠せなかった。 「違うわね。ホクロよ。 決め手は、あのホクロ。」 さすがに娘は特徴的すぎる、 口元のホクロは消してたけれど。 わたくしは、送られてきた 写真を全て破って捨てました。
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