2th weekそこにあるのは 愛でない

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2th weekそこにあるのは 愛でない

~*yorokobi ni .゜*michi afurete 『カラ~~ンコ~ン』 *゜*.。 watashi*。 wa utau~ 『カラ~~ン』 『トントン!』 ♪.*゜*. 『カラカラカラ、、』 「カレンちゃん相談ボックス に、また今日お手紙よ! あたくし! とうしクラブの活動って、 おかしい感じがするって、 はじめから思ってたのよ。」 幼学部からの幼馴染みで、 クラス委員仲間の 『マユちゃん』がメモを片手に 生徒会室に入ってきましたの。 どうやら、 走馬灯というものは、 当時の自分にも同化できるもの のようですね? わたくしも初等部に体が 戻っておりますもの。 「マユちゃん、今は高がく年の お姉さま方は先生方と会ぎを されて今日はもどられないの。」 たしか、、、 この時のわたくしは 初等部学年代表。 つまり、 席順2の代表ってことで 下っ端ですわね。 ゆえに 委員会の議事録を生徒会執務室で ひとり留守番を兼ねて、 打ち込んでおりましたの。 「でも、これはちょっと見すごせ ないよ。ほら、カレンちゃん。」 幼学部から変わらない ショートカットヘアーを どこか怒らせながら、 マユは1枚のメモを わたくしの前に突き出して まいります。 『とうしクラブからたすけて。 きょうでおわりになります。』 弱弱しい文字がメモに記されて います。 教科書を切り取った物でしょうか。 「とうしクラブって、ひ公式の サロンなのよね?先生方も ごぞんじじゃなかったもの。」 本来ならば、院外活動ですので 生徒会、ましては 委員会の出る幕では ございません。 それぐらいのドライさは、 すでに嗜んでいました 初等部わたくしは、 そうマユに応えるのみ でございましたわ。 「たすけて。おわってしまい ます。ってことは、自死されて しまうかもしれないのよ!この ご相談ボックスの名なしさん!」 けれど、すでに姉御肌を発揮し、 初等部スポーツリーダーを 務めていました マユは引き下がり ませんでしたわね。 「マユちゃん、そうおっしゃる けれど、サロンの活動ばしょ も、わからないのですのよ? お手つだいは使えませんもの。」 わたくしには幼少に乳母、 初等部には母親に従する お手伝いが、 身の回りや環境の整えを するよう父親の秘書傘下より 配されましたから、 調べものも依頼できますが 流石に 学院で使用人は使えません。 「カレンちゃん、あたくし! 1つ考えたことがあるの! 何か暗号をつかってるのよ。」 こちらの話を上手くかわして マユは言いたいことを 叫けびつつ、 わたくしに再びメモを 突きつけます。 「マユちゃんは、お話をよみ すぎですの。ほら、今日は テニス部のかつどうでしょ? わたくしは、委員会のぎじろく を書きますから、またお帰りの 時に、お話しましょう。」 わたくしは、ため息をついて、 メモを受け取ります。 そうすると、マユは納得の顔で 執務室を 「さすがカレンちゃん。 じゃあ、お帰りの時にね。」 片手を振りながら出ていくわけ ですわ。 「マユちゃん、お帰りの時も たんていごっこする、つもり ですわね。こまったこと。」 それを見送りつつ呆れる わたくし。 それでも思い付いた事があります。 「お話、、暗号で、 やりとり、、もしかして。」 それを確かめるために 生徒会が管理する落とし物に わたくしは小さな手を伸ばします。 3日前に届いた落とし物の 『本』と挟まれた栞。 栞に手書きの 文字が書かれていたのを、 わたくしは思い出したのです。 「なぜ魔法使いがカボチャを 馬車にするところに、しおり をするのかしらって ふしぎに 思っていたのですのよね。」 けれど今は、もう1つの物を 見つめる、わたくし。 栞に書かれた 『 サランタコロネス』は、 年に4回は旅行する中で なんとなく覚えている 中東ビーチリゾートの 観光公園にある城跡。 どこか 学院に門が似てると 思っていたのですけれど。 「40でしたわね。」 学院の入学資料で渡される、 院内図を見まして、 その教室ごとにナンバーが ふられるのを辿ります。 サランタ・コロネス 『40の柱』にも 平面図が展示されてましたから。 「理科しつ、ですわ。」 教室は 鍵が閉められいると予想はしても、議事録も書き込み終えた わたくしは 執務室を出て、 生徒会用の携帯電話を 携え 理科室に向かいますの。 「そうぞうしただけですから。」 学院は 特徴的な煉瓦建物で、 広い敷地には 深く厚い木々がひしめき 庭園や芝生を囲っています。 「理科しつのうら、、」 建物を隠す緑の壁にもなる程、 影を落とす森林の間を くぐり抜け わたくしは、1人で 理科室の裏へ。 *yorokobi ni .゜*michi afurete 『カラ~~ンコ~ン』 *゜*.。 watashi*。 wa utau~ 『カラ~~ン』 結局そこで見たのは、 煉瓦壁を背景に スカートを開かせ並ぶ 白く幼い足。 ヤシロ・スズネが開いていた 投資クラブのグラビア撮影会 だったのですわ。 「まさか、初等部の子女の足を 写真撮りしてオークションに 出していたなんて思いつくわけ ありませんのよ。それも本人は 善意でやっていたのですもの」 傾きかけた旧家の経済苦を 助けるという名目で、 集まる 投資クラブの子女達。 わたくしは、1人。 多勢に無勢のヤシロ・スズネ達に 抑えこまれるのを、 兄さまが護身にと直伝してくれた 技でかわす間に 知らせていた先生方が来たのよ。 「スズネの母親、リンコが呼ばれ た後、離婚になって、、スズネ は、祖父母の元へ行くから、 初等は学院を離れていたけど」 以後 父親が再婚したタイミングで、 中等部に戻ってきた スズネとの対立は、 水面下に沈む やり方になる。 「サランタ・コロネス、、 キプロス島なんて、 い言えて妙な暗号だったわ。」 これを皮切りに、 世界で1番平和な戦争は、 母親時代から続けられた、 旧家派閥と、新興家派閥、 「いえ、古くは祖母達華族に おける公家と武家の女の覇権 かしらね。ともあれ、、、」 それが 乙女の園でも勃発したのですもの そもそも、 幼子が色香を転売する発想を 持つのは何故かと、 今の自分なら思うわけですから。 そうして、 わたくしの意識は 幼き当時の中から離れ、 走馬灯は 最後の心残りの場所へと 移るのですわ。
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