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「子供たちの夜」
火山竜一(ひやま りゅういち)
子供の眠る
小さな街に
宵の
帳が
おりてくる
静かな静かな闇の中
一つ
また 一つ
窓の明かりが
消えていく
みんなが眠る
この街に
夢の
大気が
満ちてくる
静かな静かな空の上
一つ
また 一つ
瞬く星が
ふえていく
夜の
闇が沈む街
沈黙の
底が蠢いて
色とりどりの風船が
静かな静かな大地から
一つ
また 一つ
浮かんで
いく
風船の漂う
大空に
山から
カラスが
飛んできた
静かに静かに近づいて
一つ
また 一つ
割って
いく
カラスの去った
月夜の晩
割れた風船より
精霊たちが
踊り出し
静かに静かに輪になって
一人
また 一人
歌い
だす
宴たけなわの
輪の中で
子供の
夢が
芽をふいて
静かに静かに広がって
一つ
また 一つ
花
開く
大気の揺らめく
明け方に
騒ぎつかれた精霊たちは
子供の夢を抱きしめて
もうすぐ朝だと呟くと
静かに静かに目をつぶり
一人
また 一人
消えて
いく
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