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怪しげなプレゼント
◇◆◇
蒼の30の誕生日パーティーは盛大に行われた。
会議室にはフィリップとジョンどころか、マテオやエイミーやエリック、そしてスタッフの皆がクラッカーを鳴らしお祝いをしてくれた。こんなに盛大なのは子供の頃 家族からしてくれた時以来、なんだか嬉しすぎて涙が出て来た。
「涙ぐむなんて、本当のおじさんだな」
隣に立っていた奕辰は、昼間のトロッコでの案内を皮肉ったように言葉をかけてきた。だが、背中をさすり優しい笑みを見せてくれる。突っ込みを返す前にその笑みに心が持ってかれた。
「フィリップ、ジョン。イーチェンが帰って来たぞ」
まずは、奕辰をふたりの元へと案内した。奕辰は、ふたりの名前を呼ぶとそばに寄りひとりひとりにハグをし話をしている。
「ど、どういうことだ?イーチェン、誰とでも普通に触れるじゃないか?」
あんなに みんながトラウマトラウマ言っていたのが嘘のように思えた。そのくらい奕辰のスキンシップは自然で。
「お前が、治したんだよ」
背中をトンと突かれて、マテオがひょっこり顔を覗かせた。
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