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今日は……ずっとずっと彼を抱き、彼が弱いところをたくさん見つけるつもりだ。これまで一緒に居れなかった分の愛を彼にたくさん与え続けて、奕辰を最高に幸せにしてあげたい。
「今度は、あんたを啼かせてやるよ。覚悟しておいて」
「ん。楽しみにしている」
愛しげな視線を向けられると、彼の頬を掴み引き寄せていた。すぐさま、キスは深くなり、愛の沼へと落ちてゆく。
人に対しこんなに夢中になったことなど、これまでなかった。
仕事と同じ、めんどくさい態度を取られれば離れて行った。だが、彼は自分を夢中にさせ続ける。彼がいれば、自分を高められる。恋愛をしてこんなにドキドキさせられる人は初めてだった。
「Yichen………」
愛しい彼の名を呼ぶ。
「I'm always crazy for you、、、」
『私も君に夢中だ。たまらないよ………蒼』
嬉しかったのだろう。日本語で答えた奕辰の頬が赤らんだ。
また、好きな唇を貪り始める。さっきまで二胡の調べが響いていた空間は、淫らなリップ音が響いている。
息もすぐに熱くなり、艶っぽさが溢れた。
交じり合う熱い吐息。
そして、名前を呼び交う声は、真っ青な百蓮華の空へと消えていった。
―― 完 ――
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