怪しげなプレゼント

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そう、奕辰を待ち侘び病んでしまった。 1年目は、奕辰に会えた時に最高の男でいるために無我夢中で頑張った。京都で仕事をしながら茶道とそれに通じる華道、そしていろんな料理も習い免許も取った。 2年が過ぎ、Greenport Parkに戻ると公園を見るだけではなく、老若男女がいかに楽しめる施設にするかに全力を注いだ。イベントを起こす度、客は客を呼び、花の無い閑散期でさえ人が来るようになった。 奕辰が戻ってきて たくさんの自慢ができるよう、出来るだけ多くの仕事をしたかった。食事も睡眠も最低限に、まわりのみんなから瘦せたねと言われると頑張っている証のようにも感じて、さらに頑張った。それが苦だとは、全く感じてなかったのだ。 だが、本当に5か月前くらいだ。NIGHT TOURの企画を提案したときだった。 会議室でホワイトボードに向かっているときに ふと思った。 イーチェンは、本当に生きているのか?   ――――と。
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