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「エリック、本当の事を教えてくれ。イーチェンは、本当に生きているのか?もう、死んでるんだろう?」
3年も経つのに音沙汰ないというのは、やはりおかしなことだった。
エリックやエイミーから彼は生きていると言われても、何故なのか強迫観念のように誰の言葉も信じることが出来なくなっていた。皆が自分を気遣い優しい嘘をついていると思ったのだ。
「誰か本当の事を教えてくれ……」
いろいろ考えあぐねているといつの間にか朝になった。何を食べても砂を噛んだようにじゃりじゃりとしていて、まずいから何も食べなくなった。でも、周りに心配されたくなくて、ダイエットと言いながら仕事はきちんとこなした。
そんな事が、10日ほど続いた朝の事だった。
「きっつ……」
身体が鉛のように重くて、起き上がることが出来なくなった。本当にぽっかりと胸に穴が開いたように やる気が出なくなった。これまでずっと走り続けてきたその疲れが出たのだ。
重要な時期だったのに、職場から1週間も休みを取らされた。仕事に来てないと知るとエリックやエイミーが心配し、入れ代わりで来てくれ面倒を見てくれるようになった。
だが………既に遅すぎた。
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