(あららぎゼミ休憩中)

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(あららぎゼミ休憩中)

初受講の彼とその友人。(あらすじの彼らである) それぞれの講義の休憩中に自販機の前で偶然会った様子。 「おつおつー。あららぎゼミの授業、ついてけてる?」 「おうそっちも休憩中か?ついて…けてるのかなぁ。教授からは何でかよく褒められるんだけどさー」 「すげぇじゃん!あららぎ教授って初見には厳しいって聞いてたからお前今頃ギタンギタンにやられてるかなーって思ってたわ」 「え、そうなん?はじめに言えよそういうことは!」 「でも気に入られてんなら良かったじゃん。昼飯ん時、話ゆっくり聞かせてよ」 「う、うん。お前に聞かせられる内容なのかちょっと分かんなくなってんだけどな…」 「なにそれ。ヤバい授業なの?」 「ヤバいっつーか…」 そこへ1回生女子生徒登場。なぜかウキウキしている。 「あ、邪魔してごめん。会話続けて?」 「邪魔なんかじゃないよ、一緒に喋ろうぜ」 「そうだよ。そういや君も教授に褒められてたよね?同人誌レポート。ごめん、オレ詳しくなくて」 「いいのいいのわたしのことは。気にしないで。2人で仲良く話してて?そして妄想させて?」 「「なんのことだ!?」」 「あ、そうそう。気になってたんだけどさ、資料の字めっちゃ可愛くね?」 「どれ?」 「この人物相関図」 「ホントだ」 「知らないの?それ、あららぎ教授の直筆よ?」 「えっマジで!? あの顔でこんな可愛い字書くんだ……」 「あららぎ教授のお部屋行ったことある?メモ書きとか付箋とか全部この字よ?」 「いや、講義しか聞いたことないしゼミ室はまったく……」 「そっか。本当に知らないで講座取っちゃったのね」 「そうだけど……なんかマズかったかな?」 「ううん、マズくなんてないわむしろ大歓迎よ!席があったら2人とも受講してもらいたかったくらいよ。(私が変わってあげたい、でも変わっちゃうとモブれない…)」 「へ?俺も?」 「そうそう。あららぎ教授も喜ぶと思うなぁ」 「なんでだよ」 「ふふふ、なんでもよ」 「あとさ、もうひとつ聞いてもいい?」 「ええ、わたしに分かることだったら何でも」 「この801本?の著者って……」 初受講の彼が、資料の添付されている801本の表紙をめくった。 「相模恭介がさまざまなシチュエーションの愛されクエストに立ち向かい総愛され主人公を目指す話」 作:皇和葉(すめらぎかずは) これが今回検証する本のタイトルのようだ。 「すめらぎ…かずは…って、まさか」 「そう、そのまさかよ。皇和葉は、あららぎ教授のペンネーム。すめらぎ先生はBL同人界のレジェンド!同人イベントではいつも完売。投稿サイトでも毎回ランキング上位。わたしたち腐の民に萌えを供給してくださる女神のようなお方なの」 「「ふ、ふーん」」(よく分からないが彼女の言葉に圧倒された2人) 「そのすめ…あららぎ教授に褒められたってことは凄いことなのよ!わたし応援してるから!じゃねっ」 女子生徒退場。呆然とする2人。 「なんか知らんけど、お前凄いじゃん。あららぎゼミ、頑張れよ」 「オレ、何を頑張ったらいいんかな……」 「そのままでいいみたいだぜ?だけど俺は巻き込むなよ?」 ポンと肩を叩いて友人も退場。 (そのままのオレってなんだよ) 紙パックのジュースを握りしめる初受講の彼。自販機補充スタッフの男性がそれに気づき、新しいジュースと交換してくれた。 (真っ直ぐ総愛されに育ってくれればいいのだよ) 自販機の影から両手で握りこぶしを作るあららぎ教授。 講義は後半に続く。
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