Ⅱ.操られし運命

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 尖らせた舌先で肉環をぬるぬると貫くと、要は堪らず、嬌声を放った。 「あぁッ!はぁ、ん…っ、い、いやッ…!」  透明な雫を溢し始めた陰茎を同時に扱いてやると、全身がうっすらと汗ばみ、喘ぎと共に、身体を痙攣させた。 ー要は、堕ちる寸前まで来ている。  今度は、左の指を差し入れた。十分に潤い、快感により解れた肉環は、一樹の固い指を柔らかく受け入れた。 「…っ!待っ…そこ、はッ…!」  ビクビクッ!と一際大きな反応を見せた要に、低く嗤う。 「ここはまだ、触らせて無かったんだな」  念入りに肉環を解し、奥のコリコリとした箇所を弾かれると、一気に絶頂へと追い上げられてしまった。 「はぅう…っ、かず、きさ…ん…!ぃや、ぁああ…っ!!」  耳朶をくすぐる甘やかな喘ぎ声が漏れ、反り返った華奢な身体に、自身の精液が散る。  最後の一滴まで搾り取る様に陰茎を扱き、一樹はやっと、身体を離してくれた。 「あ…、はァ…っ、はぁ…」  荒い呼吸を繋げる身体を手荒に起こす。  そのまま、物凄い力で頭を押さえ付けた。 「何を、するんですッ…」  要の目の前に、脈打つ凶器の様な男根がそそり勃っていた。 「自分だけ楽しむつもりか?勿体つけてないで、舐めろ」 ー得意なんだろ?  と言わんばかりに、せせら笑っている。 「しっかり舐めておかないと、君が辛いだけだからな」 「!」  一樹が言わんとする事を知った要は、再び真っ青になって、恐怖と屈辱で身体を戦慄かせた。  髪を掴まれ、ぐいっと口唇に押し付けられる。 「うぅっ…」  彼が言う通り、ここでしっかり湿しておかないと、辛いのは自分だ。  観念し、口唇を開いて、暖かな口腔に一樹を迎え入れた。 「ん……ん…、は、む…んっ…」  舌を巻き付け、喉奥に当たるまで、呑み込む。時折秘裂に舌先を差し込むと、一樹はピクッと反応した。  後ろ手に縛られた不自由な体勢でも、巧みに彼を追い上げて行く。 「…もう、いい」  口の中で質量をより増した頃に、くぐもったため息と共に男根を引き抜いた。  ベッドが軋みを上げ、背後へと回り込む。 「くぅっ……」  要はシーツに顔を押し付け、一樹が自分の身体を貫く瞬間を、口唇を噛みしめながら受け入れるしか無かった。  両の親指で窄まりを圧し開き、ぬるつく先端で何度か捏ねてから、ゆっくりと男根を沈めて行く。 「…は…、ひぃッ……!」  目の前が真っ赤に染まる。  身体を引き裂かれる痛みと苦しさに、自然、涙が流れた。 「か、ずき、さん…っ!い、痛い…っ」  泣く要を無視し、無言で圧し進めて行く。 「痛い、んです…やめて、下さい…っ」  ぶるぶると震える程の痛みの中、懸命に苦痛を訴える。  ついに根元まで納めさせた一樹は、後ろ手に縛りつけた腕を帯ごと掴み、容赦なく腰を突き動かし、揺すった。 「あああぁーッ!!や…、やめてー…ッ!」  自由にならない手指を蠢かせ、悲鳴を上げる要に、冷たく言った。 「…もっと、苦しめ」  青ざめた額から、冷たい汗が滲み出る。  腰骨を叩き付ける様に繊細な肉壁を抉りながら、一樹は熱を含んだ呪いの言葉を掛けた。 「要…。俺の人形として、傍にいろ。お前を、性処理用の、道具にしてやる…」  乱暴に犯され、朦朧とする頭の中、一樹の言葉が何度も響く。  苦痛の中に、ごく小さな炎が、灯る。  半勃ちになり、揺れている要の陰茎を扱き上げられる度に、炎が拡がって行く。 「ああっ、一樹さん…!おれ…もう…、もう、いく…!はぁっ…、気持ち、いいっ…」 「要…ッ!」  一樹の手の中で精を迸らさせる間中、要の肉壁は男根に凄まじい快楽を与え続け、肉環は締め付けと解放を、何度も繰り返した。 「ぁ、ん…っ…くぅ……」  一樹の情欲が、勢い良く内奥へと注ぎ込まれる。  それにも悶えている要から、ずるりと自身を引き抜くと、彼の身体は力無く、ベッドに沈みこんだ。
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