第2話  【温泉に行こう 其の2】

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 第2話  【温泉に行こう 其の2】

 せかへい 外伝2  著者:pirafu doria  作画:pirafu doria  第2話  【温泉に行こう 其の2】  エリスはモンスターを楽々と倒し、パト達は隣の村のコット村に着いた。 「お、パトじゃないか」  村に着くと、青髪に紫色のバンダナを巻いた女性と出会う。 「シルバさん!」  彼女の名前はシルバ・マーキュリー。コット村の村長であり、パトに科学文明(アルシミー)について教えてくれた先生のような存在だ。 「どうしてこの村に?」  シルバは首を傾げながら、パトに聞く。  パトは親指でエリスを指す。 「エリスの研究に付き合って、この村に来たんだ」  エリスは帽子を脱ぐと深々と頭を下げた。 「シルバさん、お久しぶりです」 「エリスちゃん、久しぶりね!」  シルバとエリスは昔に面識がある。  まだエリスが王立魔法学園に入学する前に、パト達について来てこの村にやって来たことがあるのだ。  事情を説明したパト達はシルバに宿を紹介してもらい、2部屋を予約する。これでコット村で寝泊まりをすることができるようになった。 「じゃあ、私はパト、手伝ってね!」  こうしてエリスの研究に付き合うことになった。  まぁ、しかし、パトには何をやっているのかわからず。村をグルッと周り、見かけた村人に声をかけて色々質問して回っているだけだ。  やがて日が暮れて、パト達は宿に戻る。 「はぁ、疲れた〜」  エリスは二つの部屋を借りたのだが、パトの部屋のベッドまでやってきて倒れた。 「おい、自分の部屋で寝ろよ。俺だって疲れてるんだから」 「まだやることがあるの。寝そうになっても起こしてもらわないと」 「俺はお前の執事か」  そんなやりとりをしていると、部屋の扉がノックされる。 「どうぞ〜」  エリスは人が来たのを察知すると素早く姿勢を正す。 「いや、お前が言うなよ!」  部屋の扉が開かれると、そこから現れたのはシルバだ。 「お、二人とも丁度いるね」  すると、シルバは最近村に新しくできたと言う温泉を紹介してくれた。 「今日一日歩き回って疲れたでしょ。なら、丁度いいんじゃない」  サージュ村には銭湯はあるが温泉はない。コット村では地下を掘っている最中に偶然掘り当てて、そこを開発したらしい。 「分かりました。ありがとうございます」  パトが礼を言うと、シルバはニコニコして帰って行った。  シルバはパトが父親のガオの次に尊敬する人物だ。  彼女だって仕事で疲れているはずなのに、それだけを伝えるためにやって来てくれた。 「よし、エリス。せっかくだから行くか」  パトが立ち上がり、行こうとエリスに言うとエリスは、 「まだ〜」  すでに準備を終えていた。 「はや!!」
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