私ね、ドアを開けたの。

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私ね、ドアを開けたの。 そしたらね、君が笑ってたの 「どうして笑ってるの?」 そう聞いたら君は 「君に出会えたから笑ってるの!」 なんて言ってた。 「私ね、忌子なの」 「どうしてそう思うの?」 「周りの人がそう呼ぶから。」 私ね、忌子なの。 友達も、できないの だからとっても不思議なの 心が、ズキズキ。 「私と、話したら貴方も不幸せになっちゃう」 「だからどうしたの?」 君は、どうってことなさそうな顔で私の手を握った 「君の誕生日はいつ?」 「…覚えてない」 「そっか、じゃあ今日が君の誕生日だね!」 分からない。なんで君はこんなにも優しくしてくれるんだろう。 「そうだ、あの山の向こう。すごく綺麗な場所があるんだ 一緒に行こうよ」 それから君は何回も私の住む物置部屋のドアを叩いた。 「…うん、行きたい」 私と君は随分仲良くなったね すごく嬉しかった。 いつしか私は恋というものに落ちたみたいで 君のことしか考えなくなっていた。 だけど、私の初恋は 終わってしまった。 君は崖から落ちて、病院に運ばれた 生きてるかもわからない。 だってこれ以上君に何かあったら私が殺してしまったことになるから。 ごめんね、ごめんね。 ただそれしか言えなかった。
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