6人が本棚に入れています
本棚に追加
一人になって二か月が経過していた。
体は少しずつ衰弱しているうえに、中途半端に食べたりしているので余計に体がだるくなっていた。常に横になっていて、立ち上がることすらもろくにできない。
『なかなかまいってるようだな』
声は毎日のように聞こえてくるが、頻繁に体を使っているわけではないらしい。体を自由に使えるのなら毎日ご飯を食べ続ければいい話だ。できるのにしない理由などない。何か条件でもあるのだろう。
『そろそろ諦めて現実と向き合えよ』
心当たりはあった。そしてそれはきっと当たっている。
雨が降ってる日は僕が僕じゃなくなる。
『おい。いつまでこんなことやってるつもりだ?もういい加減飽きただろ!』
うるさい。何をしようが僕の勝手だろ。
『そういうわけにもいかないさ。このまま放ってたら死んでしまいそうだからな』
死にたいんだよ。
『お前が死んだら俺も死ぬことになる。それはごめんだぞ』
僕の人生だ。君に意見なんか求めてない。
『せめて水分くらいとれ。これ以上は本当にまずい』
うるさいって言ってるだろ。
僕は残り少ない体力を使い、体に力を入れて立ち上がった。気を抜いたら意識を失いそうだった。
『そんな体でどこに行くつもりだ?倒れるぞ!せめて水分を取ってからに……』
終わりにしよう。
そして僕はフラフラの体で外に出た。もう、声は聞こえなかった。
最初のコメントを投稿しよう!