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「はあ、けっこう難しいんだね、金魚すくいって。けっこう自信あったのになあ」
再び屋台の立ち並ぶ河川敷を練り歩きながら相楽さんがため息をつく。
完璧な美少女だと思っていたけど、やっぱり欠点があるとわかっただけでなんだか僕の心は救われた。
当たり前だけど、彼女だって人間なんだ。
そう思うと、自然と相楽さんとの距離は縮まっていた。
「相楽さんの場合は難しい以前の問題だと思うよ」
そう言って笑う僕に「なにそれー」とむくれる相楽さん。
ヤバい、超かわいい。
僕はドキドキしながら1匹だけ取った金魚を相楽さんに差し出した。
「これ、あげるよ」
「え、いいの?」
「うん、家じゃ面倒見られないし。相楽さんのほうが金魚にとっても嬉しいだろうし」
「わあ、ありがとう!」
金魚を手渡した瞬間、満面の笑みで喜ぶ相楽さん。
「かわええ……」
「え、なに?」
「う、ううん! なんでもない!」
慌てて口をおさえる。
あぶない、あぶない。思わず引かれるところだった。
「ねえ西嶋くん、今度はあれやろうよ!」
金魚をもらって上機嫌になった相楽さんは、今度は射的を指差した。
これまた、ハードルの高いのをチョイスしたな……。
けれども、そんな僕の気持ちなどお構いなしに嬉しそうに屋台に突撃していく相楽さん。
こんなアクティブな子だったっけ? と思いながら慌てて後を追った。
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