3人が本棚に入れています
本棚に追加
セレブってなんだ?
「ちょどいいところに来たわね——」
鷹峯部長が口を開く。
「——さっき後輩二人にココアを奢ったんだけど…… 私はウチのパートのおバカに奢るから、涼は自分のパートのセレブに奢ってあげることにしたら? というわけで涼、120円もらえるかしら?」
損失補填するつもりか? アタシの感動も120円分返してくれませんか?
いや、そんなことより、部長は重大な過ちを犯しているぞ。ここはひとつ、訂正して差し上げよう。
「部長、おバカとセレブが反対ですよ?」
アタシがそう言うと、
「アンタ、そのネタ引っ張るわね…… あれ? ひょっとして…… 夏子、アンタ、セレブの意味を知らないの!?」
と、驚いておられるではないか。
「ちょ、ちょっと! それぐらい知ってますよ! シマシマって意味でしょ!?」
「シマシマ………… って何?」
と、部長。
「島が二つあるのか?」
と、剛堂先輩。
「嗚呼、ボクは夏子の芸術性についていけない……」
と、清風先輩。
「あの、ひょっとして…… シマウマのことを英語で『ゼブラ』と言いますので、『セレブ』と『ゼブラ』を、その……」
武者小路さんがつぶやくや否や——
「「「ああーーー!!!」」」
先輩たちがどよめいた。そして——
「相田…… お前がそこまでおバカだったとは……」
と、哀愁漂う表情の剛堂先輩。
「夏子は言語的芸術性もバツグンのようだ!」
と、興奮気味の清風先輩。
「ボケるんなら、もっとわかりやすくボケなさいよ! アンタ、大喜利をナメてんの!?」
と、よくわからいことを言う鷹峯部長。
正解は…… 剛堂先輩でした!
アタクシ、シマシマ模様のパジャマを着たアタシが『セレブ』だと思ってました……
最初のコメントを投稿しよう!