三人寄れば文殊の知恵

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 結果論ではあったが、三人はこの動画を切っ掛けに釣りを始める事にしたのだった。釣りをしていれば可愛い彼女が出来るのだと信じ、男三人は釣りを始める事になったが初めての夜釣りから頓挫する事になった。 「で、どうやってた釣りのやり方。バインバインしてたのしか覚えてない」 「何か海に投げて後は魚がビョーン。そして揺れる胸、迸る笑顔」 「何で誰も覚えてないんだよ!竿を伸ばして張り付けてたじゃんか。あと何かエサつけて」  眼鏡は役に立たない二人をよそに、カイジンの持って来た竿を伸ばすと糸のついたリールと呼ばれる糸を巻きつけている道具から糸を、竿についたガイドと呼ばれる大きい穴から順に竿先の小さい穴に糸を通していった。 「お前スゲェな。って動画見ながらしてたのかよ。リールって動画編集の、、、、、、」 「違うっしょ。ってか見えないからちょっと離れて。あとカイジン他に何か持って来てないの?」  サクサクと作業を進めていた眼鏡だったが、どうやらこの先は他の道具。仕掛けと呼ばれるものが必要になる様であった。カイジンは自転車籠からプラスチックケースを取りだすと中にはゴチャゴチャとしたものが乱雑に入っていた。 「取り合あえず、針が有れば何とかなるっしょ。これ付けようぜ」  にじゅうは、適当に針らしきものを取りだすとどうやって糸につけるのか解らず、イライラを募らせたまま道具箱を再び漁ると、針でも糸がついている物をようやく見つける事が出来た。
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