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※R18表現あり
その声がリアムの抑えきれない思いにストップをかけたのか我に返った顔で慶一朗を見下ろすと、荒い息を吐き肩を上下させながらぼんやりと見つめられ、一瞬で不安を感じて頬を撫でるとその手にゆるゆると持ち上がった手が重ねられ、己の手と頬でリアムの手を挟み込むように顔が寄せられる。
「……良い、から」
今気持ち良さや好き以外の感情を覚えたのなら忘れてしまえとリアムの顔ではなく手に向けて囁きかけるように笑みを浮かべた慶一朗の頬に感謝のキスをし、少しでも負担を減らせるようにと白い身体を伏せさせるとその背中に覆い被さるようにゆっくりと中に入っていく。
シーツを握りしめる手に手を重ね快感に赤く染まる目尻にキスをすると綺麗な目が先を許すように見つめてきて、感謝しつつさっきよりも激しく腰をぶつけると顎が上がって熱い息がシーツに落ちる。
重ねた手も中もどこもかしこもさっきより熱く感じ、その熱の中にいつまでも居続けたい気持ちと、身体の奥底から湧き上がる快感を吐き出したい気持ちから緩急をつけた動きで白い体を抱き、他の誰にも聞かせたくないと強く思う甘く熱のこもる声に煽られてしまう。
汗が滲む背中にキスをしシーツを握る手が少しだけ残念に感じて耳に口を寄せ、シーツよりも俺を抱いて欲しいと強請ってみると、快感に染まる端正な顔が振り仰ぎ、仕方がないと言いたげな顔で小さく笑みを浮かべてリアムの唇をぺろりと舐める。
そして重ねていた手の下で手がひっくり返った後、掌が重ねられる。
己のわがままを叶えてくれる優しい手にキスをし、不意に強く芽生えた思いから片手で腰を引き寄せると白い喉が晒され、抱き寄せた腰が快感に震える。
このまま気持ち良さだけを感じて欲しい一心で中をかき混ぜ突き上げ、重ねた手に力が入ったことに気付いた直後に慶一朗の全身が粟立ち、さっきはソファで聞いた途切れ途切れの声が聞こえてくる。
肩を震わせる慶一朗の背中やうなじ、重ねた手に何度もキスをし、気持ち良かったかと問いかけると弛緩しきった目で見つめられ、それだけで一気に持っていかれそうになる。
それと同時に今の顔もまた今まで付き合ってきた誰かに見せてきたのだろうかという嫉妬が芽生えるが、身体を可能な限り捻り、リアムの頭を抱き寄せようと腕を回されて驚くと濡れた唇がゆっくりと言葉を紡ぐ。
「……Ich mag dich,リ、アム……」
その告白は掠れていたが聞き間違うことのない母国語での告白で、好きの一言を英語で中々言えなかった慶一朗のそれに咄嗟に返事が出来なかったリアムだったが、己の中の嫉妬を見透かされたような気がし、謝罪の代わりに顎を支えてキスをする。
「……少しだけ我慢してくれ、ケイ」
先に快感の頂点に立った身体にはキツイかもしれないが堪えてくれと囁き、背中を再度シーツに沈めると、全てを許してくれるような笑みを浮かべた慶一朗が両手をリアムに向けて伸ばし、許すだけではなくしっかりと受け止めてやると態度で教えてくれる。
「ダンケ、ケイ……俺も好きだ」
お前の兄に問われた時は明確に答えらなかったが、多分今なら答えられると額を重ねて告白した後、全身で受け止めてくれる慶一朗の紅潮する顔を見下ろしながら少し遅れてリアムも快感の頂点に向かうのだった。
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