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6.ふぅ…
数日後、帰宅して玄関のドアを開けると、大福が三和土の床に寝そべって、身体をぐりんぐりんと半回転させては戻り…を繰り返す。
「お出迎えとは…珍しいね」
「ニャ〜」
いつもは母が家に居れば、私に用はないらしい。
しかし、今日、母はお出掛け。
まだ戻ってないようだ。
いつも寝てばかりいるくせに、長い時間、誰も居ないと寂しくなるらしく、構ってちゃん丸出しのお出迎えをする。
「お帰り〜。ねえねぇ、どこ行ってたの?遅かったじゃん。僕、寂しかったんだからね〜!お腹、撫でて撫でて〜」
その可愛いさに、とても愛おしい気持ちになり、私はその場にしゃがみ込んで、大福のお腹をモフモフと撫でる。
くぅ〜…この感じ!たまらん…。
…いやいや、目を覚ませ!私。
騙されるな!
こんな可愛いキャラ解釈をするなんて、大間違いにもほどがある。
「おいっ!こんな長い時間、俺様を放っておくとはいい度胸だな。
お前も寂しかったんだろ?
ほぃ、腹撫でていいぞ。
それ終わったらおやつだからな」
きっとこう言ってるに違いない。
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