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《立川 奈央》
手の上には、橘の名刺。
あれから、ここにヘルプに入っても橘は来ることはなくて。
なかったこと、そう思い込もうとしていた。
でも。
少しだけ待っていた。
いつかまた来るんじゃないかって。
そしたら、本当に橘は来た。
そして。
名刺を手渡して帰っていった。
「マネージャー、ナンパですか？」
千佳ちゃんに聞かれる。
名刺を渡されたところを見られたらしい。
どうせなら、最初から聞いててくれたら説明しなくても良かったのに。
いや、別に説明するけどさ。
「同級生なの。中学の」
はい、説明終了。
千佳ちゃんもそれ以上聞いてこなかった。
それから少したって。
お昼休憩。
さて。
連絡してみる？
いや、こんなすぐ連絡したら嬉しくて仕方ないみたいじゃない。
まぁ、嬉しくなかったと言えば嘘になるけど。
でも、今仕事中だよね。
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