お客様

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「そっか…良かった」 橘がつぶやくようにそう言う。 …良かった? え、何が?? 「じゃあ、立川はあそこで働いてるの?」 橘自身には、あまり意味のある言葉ではなかったみたいで。 すぐに次の会話にいったけれど。 「あ、そうそう。高校生の時にバイトしてて、そのまま就職して。今は、あのお店だけじゃなくて、ここらへんのエリア数店を担当してるの」 深い意味はなかったんだろうな、きっと。 「じゃあ、ベテランなんだね。すごいな。俺は大学を出てから今の会社に就職して、営業やってる。って、この前、名刺渡したから知ってるか」 実は、橘の大学は噂で聞いて知ってるんだよね。 頭の良い大学で驚いた。 いや、もともと頭良かったよね、橘。 「あ、私の名刺も渡しとこうかな。橘からもらったんだし」 サブマネージャーからは、名刺があるんだよね。 あんまり使うことはないけれど。
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