同窓会

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同窓会当日。 千秋は旦那さんが遅くなって、少し遅れるとのことだったから。 とりあえず先に店に入ることにした。 「えっと…松井さん?」 松井というのは、私の旧姓だ。 離婚してからも、娘がいるから元旦那の姓を名乗っている。 入口にいたのは、佐々木だった。 竹元ではなかった。 「はい」 竹元を探してしまうけど。 見当たらない。 すると… 「まだ全員集まっていないけれど。時間になったので、とりあえず挨拶させていただきます。今日は沢山集まってもらってありがとう。幹事の竹元です」 前にいた。 竹元はかわっていなかった。 いや、もちろん大人にはなったけど。 それでもかわっていなかった。 なんていうか… 竹元だ。 その後も竹元は、何か話していたけれど。 何も頭に入ってこない。 ただただ。 久しぶりに見た竹元にすべてを奪われる。 やっぱり好きな顔だな…。
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