同時進行

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「ねえ、めっちゃ可愛い。まじタイプ!一緒飲もうよ」 「やばい!このクラブで1番かわいい!一緒飲もうよ」 「かわいいね!VIPこない?」 聞き慣れたセリフたち。 以前はワクワクして聞こえたセリフたちが 今日は色褪せて聞こえる。 まりあ「はあ。今日はみんながうざく見える〜」 萌「そんなこといわないの〜。あ!やばい!タイプの男の子いたから声掛けてくる」 まりあ「いいな〜。いってら〜」 クラブ慣れしている私たちは、常に一緒には行動しない。 勝手にいなくなるのは当たり前で 抜ける時はLINEで、ちゃんと一言送るというのがルール。 私はぼーっと立ちながら ラムコークを啜っていた。 「お姉さん1人?一緒飲もうよ」 あーもう………全然タイプじゃない。 返事すらせずに顔を背けた。 「ねえ、1人なの?一緒に飲もうよ」 別の声がすぐに聞こえた。 ほんっとうざったいな……… お酒かけてやろうか。 と思い、顔を見た瞬間 目の前の顔に思わず目を見開いてしまった。
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