プロローグ

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プロローグ

「狐が勝ちましたか?紫乃(しの)さん」 「そうそう」 南天(なんてん)の声に調子良く答えた紫乃は、ゆっくりと神路(かみじ)の方へその狐面を向けた。 「この世のものとちゃう変なもんと向き合うときはな、目も耳も信じられん。ヤツらはうちらに都合の良い姿で都合の良い言葉を囁いてくるからな。ま、旨い話には気いつけるんやな」 そう言って笑いながら面を外した彼女は、噂の通り周りが見惚れるほどの妖艶な女性だった。
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