6人が本棚に入れています
本棚に追加
二人暮らしをした時から使用している、彼女が好きな色の黄色のカーテンを引き千切り…最近新しくした丸型のゴミ箱を蹴り上げ、彼女とお揃いの部屋着を壁に投げ付けた…。
それでも怒りは治まらず…呼吸が激しくなり、俺は床に倒れこんだ。
「い、息が…出来ない……」
俺は過呼吸になっていた…涙が溢れ出始めた…止まらない、息苦しさも涙も……。
俺は一人、ここで死ぬのではないか…?そう思わせる程の辛さだった。
「…信じ、たくない…信じて…たまるか……」
俺は泣きながら何とか携帯を手に取り、画面を眺めた。
液晶に罅が入っている…まるで、俺と彼女の関係を物語るかの様に……。
俺は頭を抱え、再び暴れた。
暴れ続けた俺は、いつしか疲れ果て眠っていた。
起きた時には暗くなっていた。
電気を付けていなかったからからだ…そして時刻は夜の九時を過ぎていた。
暴れ回り、無惨な部屋を見ると…朝の出来事は夢ではなかったのだと理解した。
放心状態になりながらも、携帯を手に取った。
無料通話メールアプリを起動し、彼女とのやり取りを見ると…一通の連絡が入っていた。
そこには――――「今日、帰り遅くなるから先に寝てていいよ」そう書いてあった。
ポットの様に沸騰する俺の頭は…気付いたら彼女にある言葉を送っていた。
「もう帰ってこなくていいよ」
その言葉を見て、既読はすぐ付いた。
付いたが…返信は来なかった。
「あぁ…友達の言ってた事は本当だったのか、こんな酷い事を言っても何で?と聞き返して来ないのはつまり―――」
それ以上の事は考えたくなかった。
気付けば涙が溢れ、再び息苦しさを覚えて…俺と彼女との長年の付き合いは終わったのだ。
あっさりと…彼女との関係が終わったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!