142人が本棚に入れています
本棚に追加
最初にキャベツの周りを数枚剝いて、それ等をアライグマの如く洗っては包丁でザク切りにする
「 なんか四角いけどいいか… 」
次にパプリカを半分にし中の種を取れば、同じくザク切りにし、キャベツと同じ容器に入れておく
さっき買った一キロ位の鳥ササミを細く筋にそって笹切り?にすれば、フライパンを熱する
「 この位の熱さか? 」
フライパンの上に片手を翳し、煙が温かくなれば切ったキャベツと赤と黄色のパプリカをぶち込んで、しんなりするまで包丁で混ぜては、時々フライパンを持ち揺する
「 火が強いか?小さくするのは…こうか 」
一瞬焦げた匂いがした為に、火を弱くすればそこに切ったササミ肉を入れ、焼く
「 人間は…腹が弱いから、生は良くないんだったな…。白くなるぐらいか… 」
ササミ肉がある程度、焼けたらそこに茶碗に割り入れた卵を、殻が入らないか確認しては、出来たのから入れ、五つ入れれば、黄身を無くし、白身と合わせるようにかき混ぜる
周りにある野菜と混ぜては、岩塩の入った小瓶を持ち空ける
「 この白いやつだっけ?…ん、しょっぱ…これか 」
小指入れて、指に付いたのを舐めれば塩の味だった為に、その中に入ってる小さなスプーンで掬い、ふりかける
「 俺は味が無くてもいいが、まぁ…由羅はソース?とかドレッシング掛けるだろうし、これでいいか 」
火を止め、出来たばかりのそれを手の平に乗せ直ぐに食ってから、悪く無いと頷き、フライパンに蓋をし、次を作る
「 キャベツ、余ってるし…スープか?カツオだし…あぁ、これか…? 」
魚の絵柄が書かれたボトルを持ち、水の入った鍋に入れ、時々舐めて味を確認してからキャップを閉め、元の棚に戻す
ザク切りにしたキャベツをぶち込み、冷蔵庫にあったキノコを入れる
「 このキノコ…なんだっけ、まぁ…よくスープに入ってるからいいか 」
しめじ、まいたけとパックに書かれたそれを入れ、キャベツがしんなりしたら火を止める
すんっと匂いを嗅げば、由羅が作ってるようなやつに似てる匂いだと思い、頷いてシルクに散らかった種やらゴミを片付ける
「 洗い物…あぁ、食器洗い機に…入れりゃいいのか 」
まな板と包丁、使った容器を洗機に入れ蓋を閉じて、スタートというボタンを押す
湯の跡に泡立ったのを見て、出来たのだと頷く
「 こんなもんか…?つーか、由羅…遅くね? 」
料理を作ってて忘れたが、帰ってくるのが遅いと体内時計で判断し、顔を上げれば外に聞こえる車の音に反応する
「 あ、帰ってきた 」
道路を走るこの音は間違いないと、エプロンで手を拭き、玄関の方へと立つ
ジジババも一緒に待てば、車は駐車場へと停まり、少しして玄関の鍵は開く
「 ただいま、戻りました… 」
「 おかえり、由羅 」
「「 ニヤァー!( 帰ってきた!ご飯ご飯 )」」
挨拶をするなりリビングへと戻るジジババを他所に軽く傾げれは、彼は俺を見た後に驚いた表情を見せ、玄関の扉を閉め問う
「 えっ…ロボ、何故に…エプロンを… 」
「 先にお風呂にするか?湯を入れてくるが…。それとも、ご飯か?作ったぞ。いや、ジジババの飯が先か? 」
「 えっ…えっ、作った?ロボ…が…夕食を? 」
「 嗚呼、感で作った。由羅が作ってるの真似て 」
そこまで驚くことなのだろうかと思うが、由羅はすぐに靴を脱ぎ整えてから、鞄を持ちリビングへと行けば、鼻に付く匂いに気付いたのか、蓋を閉めたフライパンやら鍋を見る
「 凄い…ちゃんと出来てる…。えっ、えっ、凄く食べたいです。でも、待ってくださいね。娘達に夕食を上げますから 」
「 嗚呼、待つさ。その間に、温め直す 」
感動した様に口元に手を当ててから、直ぐにジジババ達のご飯の準備をする彼を横目に、並んで立ち、フライパンと鍋に火をつけ軽く温め直す
「 こうして、ロボとキッチンに並んで立てるとは思いませんでした…。凄く嬉しいです 」
「 そうか?俺も食うし、美味く出来てるかは分からないがな… 」
軽く鍋を混ぜていれば、皿に其々の餌を入れ終え、いつものように粉やら振りかけてはそれ等を持って部屋へといった
丁度温め終わった為に、由羅が使う皿にフライパンに入れてた野菜とササミ肉をこんもりと乗せ、自分の犬皿にはそれ以上に入れては、スープは茶碗と水飲み皿へと注ぐ
「 こんなもんか…よし 」
テーブルの方に置き、俺は自分のを床へと下ろせば、戻って来た由羅は横からそれを取り上げた
「 ん? 」
「 せっかく何ですから、テーブルに座って食べましょう 」
「 嗚呼… 」
疲れてたから狼の姿で食いたかったが、由羅が言うなら…と頷く
彼はテーブルに向き合うように置き、俺の皿の周りにフォークとスプーンを置く
「 由羅、ドレッシングってやつ…あった方がいい。野菜の方、塩しか入れてないから、人間には薄いだろ 」
「 では、お言葉に甘えてゴマドレでも使いましょうかね 」
冷蔵庫からドレッシングの入れ物を持ってきて、手元に置いた彼は、スーツを脱ぎ袖を捲っては椅子へと座った為に、俺も座る
「 では、いただきます 」
「 いただきます… 」
真似て軽く手を合わせれば、由羅は箸を掴み先に焼いただけの炒め物を摘んで口へと入れる
「 ん、美味しい…。野菜もしんなりしてて、ササミも焼けてますよ。玉子もいい感じです。後、塩加減いいですね!ドレッシング、いらないかも 」
「 そうか?由羅が作る、料理の匂いを覚えて良かった 」
「 初めてとは思えないぐらい美味しいです!嬉しいな…、この家に来て…。初めて手料理食べます… 」
少し瞳が潤んでる由羅に、そこまで感動するような味とは思えずフォークを掴み、作った野菜を掬うように取っては、口へと運ぶ
「 やっぱり…野菜好きじゃない… 」
「 フフッ、美味しいですよ 」
「 そうか…由羅がいいなら、いい… 」
野菜は美味しいとは思わないが、ボリスが身体にいいと言ってたし、由羅が美味しそうに食べてるのを見て、俺も苦手なフォークを使って口へと運ぶ
「 フー、スープも美味しいです。よくカツオだしが分かりましたね?キノコも 」
「 蓋、開けて匂いかいだから、でも…何かが足りない気が 」
「 強いて言うなら昆布醤油ですが、それはロボが食べる時はなくて構いませんよ。カツオだしで十分美味しいです 」
「 人間の食い物って…色々入れるんだな… 」
「 ふふっ、そうですね 」
嬉しそうに笑う由羅を見てると、俺まで胸の辺りが熱くなる
いつまでも見たいって思う表情だからこそ、食べながら眺めていれば、由羅はご飯を温めてそれを持ってきて、俺の分も少しくれようとした
「 たんすいかぶつ、ってやつを…控えろってボリスに言われたから、いい 」
「 おや…炭水化物ですか?どうして? 」
「 なんか、ボリスのやってる場所でバイト始めることになった。インストラクター…?っての、目指す 」
食べ辛いフォークを使って口に入れ、時々スープの容器を持ってそのままフチに口を付けて飲み、野菜と交互に食べては答える
「 バイト…それは急に何故ですか? お小遣いなら渡しますよ…。それに… 」
不安そうな由羅を見て、余り変に誤魔化しても仕方無いと思い、空になった水入れを置き、それを持ちおかわりを取りに行く
「 たるんできたから、澤口みたいな…ボディービルダーになる。それで、由羅に何かプレゼント上げたくなった。俺は雄だ、雌にプレゼントしてぇ。だが、人間の世界には金がいる…金を稼ぐ…由羅? 」
スープを水入れに注いでいれば、テーブルに居なくなった事に視線を横へと向けた時には、背中から抱きついてきた
腹に回される腕に、そっと触れれば軽く額をすり寄せてくる
「 余り…私を、喜ばせないで下さい…。此処にいて下されば十分なのに…。嫌いな人間の姿をして、尚且つお金を稼ごうとしてるなんて… 」
「 由羅、嬉しいか? 」
「 ……はい 」
そっと振り返り涙目の由羅が見上げて来た為に、頬に触れ目元へと軽く口付けを落とす
「 何を買うかはまだ決めてないが。待っててくれ 」
「 はい…幾らでも待ちます。だから、無茶だけはしないでくださいね? 」
「 心配してくれんの?優しいな。由羅、好きだわ… 」
泣きそうな顔すら可愛いとぎゅっと抱き締めて肩口へと顔を埋めれば、背中へと腕を回す由羅の匂いを嗅ぎ、髪を鼻先へと押し当てる
「 っ…まだ、お風呂入ってませんし。ご飯中なので… 」
「 汗の匂いがする…俺も相当、汗くさいけど、興奮する。交尾しよう、由羅 」
「 ちょっと…えっ… 」
軽々と抱き上げては肩に担ぎ、驚く様子の由羅を他所にソファーへと押し倒せば、目を見開く様子に自然と笑みが溢れる
「 交尾しよう、由羅… 」
「 っ……そんなこと言われたら…否定できないです 」
軽く口付け落とせば、ほんのりと頬を染める由羅の横顔に触れ唇を舐めては舌を入れる
「 ん…んっ… 」
野菜とチキンの焼いた料理の味がして、由羅を食べてるような感覚になり興奮する
ねっとりと重なる舌先を解き、虚ろの目を向ける由羅と視線を合わせれば再度、口付け落とす
「 ぁ、あっ…!ろぼっ、んっ…! 」
「 はー…由羅…… 」
ヒートアップする熱に、他人の匂いがする服を脱がせては、脚を開き、軽く指で溶かした後孔へと雄を埋め腰を揺らす
甘く啼く声が鼓膜を震わせ、全身に痺れを走らせる
口端から垂れる唾液を舐め取って、汗の匂いがする首筋を甘噛みしては、奥へと熱を注ぎ込む
「 っ〜!ぁあっ…! 」
「 はっ…… 」
それに合わせて由羅もまた触れてない陰茎から白濁を吐き出し、休憩する暇を与えず腰を打ち付ける
どんなにトレーニングで体力を消費しても、
交尾は別物だなって思う
「( 今…リビングに行ったら駄目ですよ! )」
「( ほほっ、空気を呼んであげようか )」
聞こえてるジジババ達の声だが、ちゃんとリビングに入って来なかったのは少しだけ嬉しいから、後でおやつをやろう
「 あぁっ…!お腹、空いてるので…ごはん、食べたいです… 」
「 食べながらやってもいい? 」
「 吐くので…むりです…!! 」
流石に続けようとしたら怒られた為に、由羅は抜けるタイミングで逃げるように身を整えてから、夕食へと戻った
「 やっぱり、狼の姿で食べてはだめか?食べ辛い… 」
「 早食いが抑えられていいと思いますよ 」
冷めたスープを置き直しては、もう一度食事を続ける
「 由羅、明日…シャツで首元隠さないと、痕がある 」
「 っ…エロ犬。もう少し場所を考えてください 」
そう言う由羅も、相当キスマークとか落として来るんだけどな
俺も、ジムで脱ぐ時は気をつけようと思い笑ってから、食べるのを続行した
最初のコメントを投稿しよう!