オマケ 狼もバイトをする

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〜 由羅 視点 〜 バイトを始めたって言った時は不安が大きくて、 狼としてバレないでしょうか? 女性を好きにならないでしょうか? なんて、私らしくも無い程に複雑な心境だった 彼は俳優に間違えられる程に美形ですし、 日に日に体型も良くなって、バイトで話す機会が増えたのか、口数も多くなった いつか、私以外の元に行くのでは無いかと不安に思う時もある 「 行ってきますね 」 「 待って、由羅 」 「 ん? 」 いつも私が先に仕事に行く為に、玄関で娘達と一緒に見送ってくれてた彼はリビングに一旦戻り、何かを持って来ては差し出してきた 「 弁当を忘れてる 」 「 あ、ありがとうございます…。ロボが作ってくださったのに… 」 差し出された、猫と犬が描かれた柄のバンダナに包まれたお弁当を受け取れば、鞄を開け倒さないように入れる 夕食は毎日の様に作ってくださるし、自分も昼にいるからと私の分まで下さる 其れが嬉しいようで、どんどん完璧になり、 いつか彼が離れていきそうで寂しいです… 「 別にいい。イザとなれば届けに行く。由羅… 」 「 なんで……! 」 目線を上げればそっと頬に触れた手と同時に、唇が重なれば彼はすぐに離れ、優しげな笑みを零す 「 行ってらっしゃいのキス。ドラマでやってたから、やってみたかった。愛してるよ、由羅。仕事、頑張ってな 」 「 っ〜!はい…私もです。ロボも…頑張って下さいね 」 どんなに不安でも、キス一つで私の機嫌は直ってしまう  単純だと、笑ってください 朝から照れてしまい、逃げる様に玄関を出れば愛車へと急ぐ 「( い、行ってきますの…キス…。悪くないですね… )」 娘達とは良くやりますが、こうして恋人にされるのは嬉しくて頬が熱くなる もう、何歳なんだと自身でツッコミたい程に、毎日ドキドキです 車の中で気持ちを落ち着かせては、仕事へと向かう 「 なぁ、猫澤くん。今日、皆で焼肉でも行かないか? 」 「 え…いいですか? 」 「 勿論。ボリスと息子も喜ぶ 」 そう言えば、ボリスくんの息子さんは、もう高校一年生でしたよね 人間寄りの狼は生まれて一年で、高校生迄の同じ知識を勉強して、高校受験に励む そうしなければ、それまでの成長が早くて、周りの子を追い抜かしてしまうからだ 明日羅家の寧々ちゃんも、高校一年生から学校に行き始めたらしいから、彼等の知識には驚かされる 「( いや…ロボの料理の腕前やら、物を覚える速度も早いから…見てて分かりますね )」 是非、と返事をしては、後から 先に帰るロボに晩御飯は作る必要ないことを伝えようと思った 昼御飯に、秘書室で弁当を開ければふっと笑ってしまう 「 キャラ弁ってやつですね。これは…ミーシャかな? 」 二段箱のうち、片方のおにぎりがミーシャと同じ三色で髭や目も海苔で付いていた為に、分かりやすいと思う そして、もう片方は海苔で巻かれたおにぎりが、猫のお尻になり、尻尾の先に白いのがあるから誰か分かる 「 お風呂の時間になったら隠れるアポロですね。確かに、後ろから見たらこんな感じです 」 本当…娘達の事を大切にしてくださってるのが嬉しいと思う 「 食べるのは勿体無いですが…。お腹は空いてますので…ごめんなさい。いただきます 」 我が子に箸を向けて切ってしまうのは勿体無いが、背に腹は替えられ無いと、おにぎりを割れば中から鮭が出てきた事に驚く 「 ミーシャは鮭が好きだからですか。では、こっちは…鰹節…すごい 」 ミーシャは鮭の切り身が好きで、 アポロは鰹節に目が無い 二匹の特徴をよく知ってると思い、口へと運ぶ 鰹の方は少ししょうゆと混ぜてあり、何方もご飯だけで何個も食べれそうなほどに美味しい 「 だし巻きの玉子…作れるようになりましたね。数回でマスターしたのかな、相変わらずウィンナー好きですね。フフッ…アボカドサラダ、美味しい… 」 独り言を呟き、其々のおかずをお腹いっぱいになるまで食べる 「 ごちそうさまでした。美味しかったですよ 」 今日はおにぎりがキャラ弁風だったけれど、こんなお弁当をここ最近、いつも作ってくれるから嬉しい そして、バイトをし始めて文字書きの練習をしてるのか、最後に見ようと思っていた、手紙を開く ゙ おにぎり、だれか、わかった? ごごからもがんばってな。 あいしてるよ、ゆら ゙ 「 フフッ…。ちゃんと分かりました。はい、頑張ります…。私も愛してます 」 文字は性格を表してるように、少し硬い印象はあるけれど、その三行だけで幸せが溢れる この猫の模様が書かれたレターも、 仕事が終わり、買い物ついでに店に行った時に見かけたら買うんでしょうね ロボが可愛いレターを買ってると想像するだけで、微笑ましいです 「 さて、午後からも…ん? 」 頑張ろうと気合を入れていれば、スマホのバイブが鳴ったことに気付いて取れば、ロボからLINEが届いていた 猫のスタンプで゙ 了解 ゙を見て小さく吹き出す 「 貴方、狼でしょ。猫のスタンプばかり買って…本当、猫が…好きでいてくれる… 」 私が猫が好きだから、猫のスタンプを送ってくれる 今だに゙ 犬は嫌い ゙と言った言葉を気にしてるのだろうか 「 そうだ、まだ時間ありますし…。ロボみたいな…狼のスタンプでもプレゼントしましょうかね… 」 彼はきっと猫のスタンプしか買わないと思い、狼で検索してから探せば、良さそうなクールな感じのがあった為に、シリーズをプレゼントする 直ぐに、ロボはそれを開いたらしく 驚きのスタンプの後に゙ ありがとう ゙と言った、狼のスタンプを使ってくれた 「 フフッ、たまにはそれも使ってください 」 ゙ りょうかい ゙ 狼とLINEのやり取りをしてるのは可笑しいけれど、 恋人とやり取りをしてると思うと嬉しくて仕方ない 「( フフッ…これでは、バカップルですね )」 ニヤけて仕方ないと口元を隠しては、 そっとスマホを閉じて、ポケットに戻す さて、仕事に戻ろうと弁当を包み直して レターをファイルへと挟み、秘書室から出る 「 ロボ、御前眉間にシワ寄せて…何真剣に悩んでるんだよ? 」 「 由羅がプレゼントで送ってきたスタンプが、言葉が書かれてないやつだから…。なんの気持ちの顔だろうって… 」 「 それ、適当に送ればよくね?( ほんと、猫のひらがなスタンプしか使えねぇやつだな… )」 「 んじゃ、これか… 」 「( 最高に尻尾振ってる笑顔のスタンプ送りやがったが、本人…すげぇ真顔だな…。でも、心の中はこんな気持ちなのか…。今度、ナゲット買ってやろう )」
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