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教室前に着いたが友人はいなかった。
ガラッと扉を開けると、何故か一番に目に飛び込んできたのはクラスメイトの男子。
「亮輔?あれ、みんなは?」
思わずキョロキョロと辺りを見回す。しかし、彼以外の姿を確認することはできない。
後片付けの途中で机や椅子もまだない今、やけに広い教室にクラスメイトと二人きりという謎すぎる状況が生まれていた。
「柏木」
やけに真面目な顔をしている亮輔と目が合う。その顔は独特の緊張感に包まれていた。
「あのさ」
亮輔は黙る。
違和感のあるこの状況。嫌な予感がした。
「俺」
ーーあ、まじ?そういう感じ?
身体が強ばるのがわかる。
「柏木のことが好きだ」
ーーええ?
頬を赤く染めた亮輔と再び視線が交差する。ガタン、と廊下から小さな音がするのがわかった。
ーーこれ絶対外にいるな。
だから待たされたのか。あいつは亮輔に協力してたのか。そうかなるほど、そういうことか。
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