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ジャンルをBLにした割にはBL要素がどこにも無いから、慌てて付け足したオマケww
さっきまで昼間の眩しいくらいの日差しが目くらましのようにキラキラしてたのに、今はもう夕日があたたかなオレンジ色で俺たちを照らしてる。
佐久間の背中で、変な事に巻き込まれて疲れてしまった俺はほんの少しだけウトウトとしていた。
ケツにサワサワと何かが蠢くのを感じながら。
「―――ケツを触るな」
「えぇ?でも触り心地は良いよ?」
「だからと言っても、これは痴漢行為と何ら変わらん」
何度注意してもやめない佐久間に呆れながらも、疲れている俺はウトウトが止まらない。
徐々に深くなる眠気に耐えられず、サワサワとケツを触られながら俺の意識はそこで途絶えた。
「あいつらが俺の想い人を知ってたとはちょっと不覚だなぁ。しかも学校で居眠りしてるところを拉致るなんて、失礼極まりないよねぇ。ま、君の浅いオタクの心を擽るようなセットを用意したのはそれなりに認めてもいいのかもしれないし、俺がヒーローになるようなシナリオは文句のつけようがないとしか言いようがないなぁ。でも勝手に話を進められるのは好きじゃないんだよねぇ。どうしようかなぁ。あいつらはお仕置しないとダメだけど、君は結構楽しんだみたいだし、今回に限り多目にみてもいいのかなぁ」
夢現の中で、今日初めて聞いた佐久間の声がそんな事を言っていた気もするけど、その時には俺は既にダンジョンの中で三匹の魔物と戦っていた。ゴブリンとブタの魔物とカマキリの魔物。負けそうだけど。
でも俺は知ってる。颯爽と現れる正義の味方『サクーマ』がいることを。
「今日をはじめましての日に出来たんだからこれからよろしくね。絶対俺のモノになってもらうからね」
夢の中で語尾にハートがつくくらい甘ったるい声でふふふと笑う佐久間に、そういえば自己紹介も何もしてないなぁと思った。いつの間に帰ってきたんだろうと思ったのは翌日自分のベッドの上で。
佐久間に住所教えたかな?寝ながら答えたのかな?と心許ない気分になったのは致し方ないのでは無いかと。
この時の俺はこの後佐久間の絶え間ない猛攻撃にほとほと疲れ果て、数年後には佐久間の思い通りになることなんて、何一つ知らないのだ。
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