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「東中学校校区担当、東田まもる!通称東田くん!シャッキーン!」
いやいや、校区担当って何。
ようやく慣れてきた目で『通称東田くん』を見れば、何やら青い頭で何とかレンジャー登場!みたいにポーズ撮ってるけど。ってか、さっきの『南のたけちゃん』は鏡のように『通称東田くん』と同じポーズだった。
ねぇ、バカなの?おバカさんなの?
「ふっ、ヒーローはギリギリでやってくるものなんです。私は北中学校校区担当、北山しげる。お見知り置きを。シャッキーン」
―――効果音を自分で入れるとか、厨二しかおらんのか、この世界。
しかも、なんちゃら拳法の鷹か鷲のように片足あげて両手を広げてるけど、プルップルしてるからな?
「ん゛っん゛っ」
通称の無い北山が片足でバランスが取れないのかフラフラとしていた。横の二人もそれに気が付きそっと側から離れる。
いや、助けてやれよ。友だち・・・かどうかは知らんけど仲間なんじゃねぇのかよ。とりあえずポーズの打ち合わせするくらいには仲が良いんだろう?
「だから真ん中は俺がするって言ったのに」と『南のたけちゃん』が文句を言えば「こんな奴に任せるんじゃなかった」って『通称東田くん』がつんつんと『通称の無い北山』をつつく。まぁつつけばつつくほど「ひゃん!」やら「ああん!」なんて言いながら体をよじって・・・おお〜う、まるでアダルティなヴィデオじゃないですか。
はぁはぁしないけどね。気持ち悪いだけだし。
すっかり目が慣れてしまった俺は奴らを観察することにしてみた。暇だし、することねぇし、暇だし。
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