1人が本棚に入れています
本棚に追加
第四話「テレビをテレビ台に乗せるだけの仕事『五千円』高いか安いか?」
僕が便利屋さんの電話を受けて一番困るのは
「ちょいとした仕事の値段」
依頼主は「ちょいとした仕事」は、当然、値段も安いと思っているからです。
その典型が「テレビをテレビ台に乗せるだけの仕事」
実は、この依頼は僕が受けただけでも数十回
(大将も受けているでしょうから、もっと多いでしょう)
そして、その契約率(?)は約五分の一。
八割の依頼主はこう言います。
「えー、テレビをテレビ台に乗せるだけで5,000円も取るの!」
で、がちゃ!
テレビショッピングやインターネットの通販ブームで、大型のテレビが安い値段で販売されています。
ところが、そこには落とし穴!
付帯サービスなしの場合、運送屋さんは、テレビをテレビ台に乗せてくれないのです。
梱包したまま、玄関に置くのです。
運送屋さんは、そこまでが仕事なのです。
お安いテレビがやって来て「おお、遂にウチにも大型テレビ」と喜ぶのもつかの間、玄関先に置き去り。
「くっそー」と何とか自分で持ち上げようとしますが、40インチを超えるとまず一人では上がらない。
「うーむ」
思案の末
「そうだ便利屋だったらこれ位の仕事、安く請け負うだろう」
――――
「便利屋さんですか?テレビをテレビ台に乗せるだけの用事なんですよ」
「ご連絡ありがとうございます。ところでそちらの場所はどの辺りでしょうか?」
「○○区です」
「今、お電話をいただいているお客さんも手伝っていただけますか?と言うのも、二人で行くと料金は倍になりますから」
「ああ、いですよ。私ももちろん手伝いますよ。で、いくら位ですか?」
「作業の料金は2,500円、そしてそちらまでの移動時間が往復で1時間かかりますので2,500円。合計消費税別で5,000円です」
「えー、たった一分位の仕事で5,000円!!!」
『がちゃ』
このパターンが八割。
確かに一分もかからない仕事。
でも、依頼主の指定の時間に合わせて行くわけですから、スタッフはその日はまず他の仕事は出来ないわけです。
だから、本当は言いたいです。
「1分だけ働いても、日当分下さい」
「日当は幾らですか」
「2万円」
「ふざけんじゃねえ!」
「じゃ、ずーーーーーと、玄関でテレビ見たらどうですか?」
さて、テレビをテレビ台に乗せる仕事、五千円。
果たして高いか?安いか?
<おまけ>
通販のサービスには「組み立て」や「部屋の所定の位置に置く」オプションのサービスもある様です。
その値段は二万円よりは安いと思います。(笑)
お安い買い物にはお安いなりの落とし穴。
出来れば「テレビ台に乗せる仕事」は
「ふざけんじゃねえ!」
とか言われたくないので、買う時にそのあたり、きっちりお調べ下さいな。
最初のコメントを投稿しよう!