4人が本棚に入れています
本棚に追加
トワイライトの向こう側へ
§
「訊いていい?」
「何?」
軽やかな対消滅反重力エンジンの音をBGMにしながら、バイクは闇夜を駆け抜ける。
「これ、誰の?」
「さぁ」
「……」
おい。
「嘘だよ。……兄貴のだ」
「……良かったの?」
「良いんじゃない?」
あっけらかんと言われて、こちらが困惑する。
盗品であるよりは幾分かマシかもしれないが。
――いや、その兄貴とやらに無許可で持ってきたのなら同じ事か。
最初のコメントを投稿しよう!