トワイライトの向こう側へ

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トワイライトの向こう側へ

       § 「訊いていい?」 「何?」  軽やかな対消滅反重力エンジンの音をBGMにしながら、バイクは闇夜を駆け抜ける。 「これ、誰の?」 「さぁ」 「……」  おい。 「嘘だよ。……兄貴のだ」 「……良かったの?」 「良いんじゃない?」  あっけらかんと言われて、こちらが困惑する。  盗品であるよりは幾分かマシかもしれないが。  ――いや、その兄貴とやらに無許可で持ってきたのなら同じ事か。
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