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聴診を当て終わり、脈を確認すると「大丈夫……ゆっくりと休んでください」と言って先生と看護師は消えて行った。
「もうちょっと寝るね……その前に神崎さん……安心が欲しい……」
私は姉がいるにも関わらず、神崎さんの安心感が欲しいと唇を尖らせた。神崎さん、いや、修は私の唇に軽くキスをした。
「ちょっと寝るね……」
「もう終わったから、ずっとそばにいるから、心配しないで……」
修は私の手を握った。その顔は安堵に満ちていた。
その言葉に私は言い返す。
「これからが私たちの始まりでしょ!?」
「そうだね」
告白された時以来の優しい修のくちびるを感じたあと、私はゆっくり目を閉じた。
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