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退院した暁には、お礼を言いにお墓参りに来なくちゃと思っていたのだ。
そして今日ようやく念願が叶った。しかしこんな山奥にあるお墓だとは思ってみなかった。ようやくサエさんが眠るお墓に着いた時だった。
「ハァ! ちょっと修さん!」
「何? やっぱり手を貸した方がいい?」
「違う! 見て! 空ぁ!」
私はある種祝福を受けたようにも感じた。お墓のある場所から見える海と山のグラデーション。そして海の方へと伸びるのは、さっきまでの雨が上がった後の大きな大きな虹だった。
「ねえ、修さん、私たちサエさんから祝福されてるね?」
「ああ! かもなぁ! 綺麗だな!」
「キレイ!」
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