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(済)(イ)マッチ売りの少女の悪罵
「お前にもプレゼントをあげよう」
少女が最後のマッチをすると、お約束通りサンタが現れた。
「さあ、何が欲しい?」とサンタ。
お菓子ううん、お勉強道具かしら、それとも大きなおうち……。
少女がわくわくしながら考えていると
「アチッ!」
マッチの火が少女の指先に!!
「ほい、クリスマスプレゼント」
少女の手には、バンソウコウ。
少女、きょとんの後、
「バンソウコウ……。これってバンソウコウよね、これってそうよね!なんで?どうして?それって、ああそれってあれ?私がアチッって言ったから?確かに私、言いました。アチッて言いました。えぇーっ、だからバンソウコウ……。本気なの?ウソでしょ。本気だったらムカつくと言うか……そう、釈然!釈然としないと言うか、そりゃあんたの選択肢は正しいよ、うんっ正しい。でもねほら、ここバンソウコウの出る場面?それ違うでしょ!ええ、もしかしたら今はバンソウコウが一番正しいかもしんないよ。でもさ、そうじゃないじゃない。今日はクリスマスイブだよ、お前、まさかケンカ売ってるわけ?私に……。
見ての通り私はマッチ売りの少女なんだよ!この私にバンソウコウって……。ごめんごめん、まさかあんたがケンカなんか売るわけないよな、でもさ、あるだろ、常識ってもん……それっそれ、その表情!めっちゃめちゃむかつく表情!!こう言うとそれ!その、いかにも私が悪うございましたって表情がさ、んと……(以下略)」
マッチ売りの少女は、その後もサンタをののしって、疲れ果てて、それでも、もやもやは晴れず、最後にこう言いました。
「だから神様、私が待っているのは本物のサンタ!AIじゃないサンタ」
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