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「ねえ……、蛹の中身って、どろどろしてるんだって……。知ってた……?」
二週間ぶりに学校へ来たわたしに、囁くように話しかけてきたのは、やっぱりツバキだった。
「いや、知らなかった」
そう応えながら、わたしは鞄を机の横に引っかける。ツバキは机を挟んでわたしの真向かいに立ち、静かに机に手をついた。
「芋虫が蛹になって、蝶々になるまでの間はどろどろしてるの……。だから、殻の中に入って、枝にくっついて、じっとしてる……」
わたしはいつもツバキと話すときのように、自分の椅子に腰掛けて彼女を見上げた。彼女の長い黒髪が、その青白い顔に陰を作る。
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