災難

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災難

「あっれー? こんな時間に子どもがこんなところにいちゃダメじゃーん」 「どうしたの? ママに怒られちゃったぁ? クックック」  小学生の男の子が深夜、景色の美しい高台のベンチで一人座っている。長袖一枚では薄寒いだろうに、ポップコーンを食べて足をブラブラさせていた。二十三時の夜景はまだ現役を貫いていて、クルマの行き来は宝石が散らばったようだ。  するとやってきた男たちにポップコーンを取り上げられ、慌てて「返して、返して」とジャンプしてそれを取り返そうとするが、男たちは笑いながらポップコーンを鷲掴みにして食べ、手からこぼれたものを足で踏んづけて喜んだ。 「ボクのだよ、返して!」 「おうちに帰りな、ママが心配してるって」  袋を逆さにしてポップコーンを地面に散らばすと、男たちは更に大笑いした。 「ギャッハッハ……」 「ああぁーー。ひどい!」
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