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 の買い物もひと通り終わり、澄んだ空から下りる冷ややかな風が妙に気持ち良く感じた。現実逃避を願う榊原は高台に向かい、夜景の美しさに癒されに行く。  顔は年寄りでも体は四十代。普段ジョギングをしていた体力は、難なく高台にまで登りつめ変わらぬ夜景に目を奪われた。 「綺麗だ……」  白のベンチにスーパーの買い物袋を置き、ため息ひとつ吐きながらそこに座る。 「全てはここから始まったんだな。ここで子どもが絡まれて……」  と記憶を遡っていたとき、あの時の子どもが偶然にもまた現れた。 「あれ。君はーー」  
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