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 言いかけた辺りで自分の姿を思い浮かべる。 ーーそうか。今の顔じゃわからないよな。 「どう? あれから絡まれないでしょ」 「え? なに?」 「おじさん。ボク、もう一度会ってお礼が言いたかったんだ。この間は助けてくれて、どうもありがとう」 ーー何でわかる? 違う姿の俺なのに。 「私は君を初めて見るが」  そうワンクッション置いて様子をみた。 「いいんだよ、おじさん。ボクわかってるよ。おじさんの顔を変えたのはボクなんだ。あの男たちから狙われないように、ちょっと他の顔をつけてあげたの。  おじさんが二度とあの男たちにまた狙われないようにって」 「う……、ええぇーーっ?」  榊原は顎が外れそうなくらい大きな口をあけた。入れ歯があったら外れていたに違いない。
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