16人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「君たち、何やってんの?」
ジョギング中の中年男性が足を止めた。
「何だよ、お前。関係ねぇだろ」
「子どものお菓子取り上げて何やってんだ。大人がみっともないだろ」
すると気の短い男たちは中年男性に向かって勢いよく拳をあげた。
「いい大人ぶってんじゃねぇよ」
「偉そうに調子こいてんじゃねぇ!」
男らは蹴ったり殴ったりを繰り返し、激しく揉み合いになった。二対一はさすがに分が悪く男に押さえつけられもしたが、中年男性もなかなかにやり返し、相手に一発だけ食らわした。
「やめてーっ、やめてーっ」
甲高い子どもの声は闇夜に遠く響き、通行人らしき足音が近づく。
「おぃ。誰か来るぞ」
足音を察知した二人は『覚えてろよ!』と捨て台詞を吐き、その場を去った。
「だ、だいじょぶ?」
最初のコメントを投稿しよう!